イヤホン補聴器にGalaxy Budsも仲間入り。聞こえづらさを5分でサポート
SamsungがGalaxy Buds3 ProとGalaxy Buds4 Proに米国FDAから補聴器機能の認可を取得し、2026年第4四半期から提供開始予定だ。イヤホンに補聴器機能を組み込む取り組みは、消費者向けテクノロジー企業による新たな挑戦であり、医療機器と一般消費財の境界線が大きく引き直されつつあることを示している。
5分間の聴力テストで個人の難聴パターンを測定し、その結果に基づいて高周波帯域の音を増幅する。補聴器業界の標準処方式「NAL-NL2」が採用されており、ノイズ除去とビームフォーミングによる音声強調も備わっている。特に高めの音域である「ささやき声」や「少し離れた人の声」の聞き取りが改善されるとされている。これまで補聴器は、専門家がフィッティングして初めて機能する医療機器とされてきた。高額で、調整に時間がかかり、一般消費者にとってアクセスが難しかった。米国はこの状況を改善するため、2022年10月、処方箋や専門家の関与を必要としない「OTC補聴器」という新しいカテゴリーを法律上で認可した。この規制変化により、従来の補聴器メーカーではないテクノロジー企業の参入が可能になった。Appleは2024年にAirPods Proでこの領域に先行し、すでに市場で認知を広げている。Samsungの発表は、主要なイヤホンメーカーが続々と補聴器機能を組み込む動きが本格化する可能性を示唆している。
一方で、バッテリー持続時間という現実的な課題がある。Galaxy Buds4 ProはANCオフで最大7時間の駆動時間しかなく、終日の補聴が必要な人には不向きだ。しかし日中の生活時間帯や外出時など、限定的な使用シーンであれば実用的な選択肢になり得る。従来型補聴器は高額で、専門家による調整が必須であるのに対し、イヤホン型の補聴機能は5分の簡単な設定で使い始められる手軽さは、聞こえづらさに悩む多くの人にとって新たな入口になると考えられる。補聴器市場に競争がもたらされることで、消費者にとってのハードルが低くなることも期待される。
日本での展開は不透明である。薬機法により補聴機能は管理医療機器に分類されるため、米国FDA認可だけでは日本で販売できない。Appleは既に日本での法的手続きを完了し「ヒアリング補助プログラム」として提供している一方で、Samsungが同様の対応をするかは未定である。日本国内の聞こえ方に課題を抱える人は約1300万人とされており、従来の高額補聴器(エントリーモデルでも両耳で30万円台)に手が届かない層に向けた市場として大きな可能性を秘めている。イヤホン型補聴デバイスの普及は、バッテリー、マイク、処理チップなどの部品サプライヤーや組立メーカーにとって、新たな需要創出のきっかけになる可能性がある。同時に、日本メーカーが国内の規制環境を見据えながら、この領域での競争力をいかに構築するかは、今後のテクノロジー市場における重要な課題になるだろう。
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出典:ギズモード・ジャパン




