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「地上でダメなら宇宙へ」は違法かも? 宇宙データセンターに環境団体が待った

アメリカの複数の環境団体が、SpaceXやBlue Originなど大手テック企業が計画する軌道上データセンター建設について、連邦通信委員会に認可の一時停止を求める請願書を提出した。理由は環境への悪影響だけでなく、連邦法違反の可能性があるからだ。AIの急速な普及に伴い、地上のデータセンター建設が加速しているが、地域社会における経済面、健康面、環境面での悪影響への懸念から、強い批判にさらされている。こうした逆風を前に、シリコンバレーのテック企業が打ち出した戦略が宇宙へのデータセンター移設である。SpaceXは最大100万基のスターリンク衛星を使った軌道上データセンター群の打ち上げを計画しており、Blue OriginやStarcloudといったスタートアップ企業も同様の野心的な計画を検討している。

環境団体グループは、この計画が国家環境政策法に違反する可能性があると主張している。同法は連邦機関に対し、重要な許認可を発行する前に環境・社会・経済への影響を調査することを義務付けており、国連の宇宙条約では宇宙空間が「全人類の共有財産」とみなされるため、より厳格な検証が求められるべきだという立場だ。環境面での懸念として、オゾン層の破壊、夜空の景観変化、成層圏の化学的性質の変化が指摘されている。具体的には、ロケット打ち上げ時に放出されるすすなどの汚染物質と、使用済み衛星が大気圏に再突入する際の酸化物放出が問題となり、大気中の有害酸化物の濃度は過去6年間で8倍に増加していると考えられている。こうした化学物質が地球の気候や成層圏に与える影響は、従来の環境規制の対象外にあり、その予測可能性すら確立されていない。

数百万基規模の衛星群が放出する光は夜空の景観を大きく変える。この光害は一般市民の生活質を低下させるだけでなく、夜行性野生動物の習性を乱し、天文学研究も阻害する可能性がある。宇宙法の専門家からは、人類は星の代わりにデータセンターを見上げることになるという指摘が出ている。さらに環境団体は、夜間の人工光が人体に与える影響に警告を鳴らしており、メラトニン生成の抑制による睡眠障害、視覚的不快感、網膜損傷、さらにはがんのリスク増加の可能性すら指摘している。

これらの規制的・環境的な懸念は、宇宙産業の急速な拡大を支えている部品・装置・素材メーカーにとって直接的な影響をもたらす可能性がある。衛星平均寿命5年と仮定すると、SpaceXの計画では毎年最大20万基の衛星が大気圏に再突入し、同数の新しい衛星が打ち上げられることになり、これは従来の宇宙開発とは比較にならないほどの規模である。環境規制が強化されたり、計画が中止・縮小されたりする可能性があれば、関連する部品サプライヤーや装置メーカーの需要予測に大きな変動をもたらすだろう。同時に、環境対応型の部品・素材開発への需要が高まる可能性も考えられる。宇宙産業に関わる日本の製造業にとって、この規制動向の推移は単なるアメリカの環境問題ではなく、自社のビジネスポジション及び製品開発戦略を左右する重要な要素となるだろう。

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出典:ギズモード・ジャパン

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