1970年のレトロTVをオマージュ。Mac miniを収納して使う球体ディスプレイ
iretrolabが、1970年のJVC製レトロテレビ「Videosphere」をモチーフにした球体ディスプレイ「The Time Planet」を739.99ドル(約11万6300円)で販売している。丸い筐体に9.6インチのモニターを内蔵し、背面を開けるとMac miniをはめ込むブラケットがある。Mac Studioや他のミニPCも取り付けられるとされており、モニターとPCを一体化させた製品である。モニターへの接続は背面のUSB-Cによる有線に加え、2.4G/5.8G/Wi-Fiによる無線にも対応し、スマートフォンやタブレット、ノートPCとも組み合わせられる。
元ネタのVideosphereは、宇宙飛行士のヘルメットを思わせる丸い形状を持つ9インチの白黒テレビである。ビクターがこれを逆輸入し、日本では「フリフリQ」の名で販売していた。記事によれば、チェーンやダイヤルの配置も元の製品にほぼ沿っており、再現度は高い。フリフリQはガチャガチャの商品に採用されたほか、現代美術館MoMAのコレクションにも加えられており、デザインとしての評価が続いている。一方、Mac miniのような手のひらサイズのPCは小型である分、モニターやスタンドと組み合わせて使う需要が生まれている。記事は、高画質や大画面を求める用途とは別に、設置環境やデザインを優先してこの製品を選ぶ余地があると見ている。
この製品が示すのは、宇宙開発の時代に生まれた造形が、民生品の意匠として繰り返し評価されている点である。記事は「スペースエイジ・デザイン」を、1950年代のスプートニク1号やエクスプローラー1号の打ち上げに始まる宇宙開発をモチーフとする様式として説明している。独特の曲線、ミニマリズム、カラーリング、硬質なプラスチック感といった特徴が、今のレトロブームに合致していると記事は見ている。宇宙産業そのものに直接の動きがあるわけではない。しかし、宇宙への関心が形になった造形が、半世紀以上を経てインテリアやガジェットの領域で受け入れられていることは、宇宙を題材にした製品開発の方向性として参考になる。
製造業の視点で見ると、この製品には部品や機構として注目できる要素が多い。球体の曲面筐体、360度回転する支持部、カチカチとした感触のダイヤル、背面を開けてブラケットに機器を収める構造などである。記事に製造工程や部材の情報はないため断定はできないが、曲面の成形や回転部の機構、ブラケットの寸法精度といった部分に需要があると考えられる。大量生産の産業部品とは異なり、意匠性を重視した小ロットの部品を扱う機会は、日本の部品サプライヤーにとって検討の余地がある。
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出典:ギズモード・ジャパン