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仮説の天体「ブラックホール星」を初めて単独で観測。巨大な水素ガスが包み込んでいた

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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初期宇宙で捉えた謎の赤い点が、仮説上の天体「ブラックホール星」である可能性が高いことが確認された。マサチューセッツ工科大学などの研究チームが詳細な光の分析とシミュレーション解析により、この天体が中心の超大質量ブラックホールを巨大な水素ガスで包み込みながら輝く、これまで未知だった天体であることを明らかにした。これは2025年に理論的に提唱されたブラックホール星として、初めて単独で観測された確かな事例となる。

初期宇宙のあちこちに存在する「小さな赤い点」(Little Red Dots:LRD)は、長年、天文学者たちが議論してきた謎だった。現代の宇宙ではほぼ観測されず、その正体についても仮説が分かれていたが、研究チームが2023年に撮影された画像の中から特に明るく輝く一つのLRDに着目した。2024年12月の詳細な光の分析で、ビッグバンから6億6000万年後の初期宇宙から届いた光であることが判明し、その後のシミュレーションを通じて、この天体の実態が明かされていくことになった。

光の詳細な分析から見えてくるのは、通常の星では説明できない独特な性質である。赤い見た目は、すすや塵に囲まれているのではなく、極めて高密度な水素の繭に包まれていることが明らかになった。さらに光の特徴を詳しく調べると、星の表面を覆うガスで光が吸収される現象(バルマー不連続)の強さが7.7という値を示していた。通常の星ではこの値が3を超えることはなく、特殊な星でも5に届かないため、この観測値は星では説明不可能だった。加えて、この天体の明るさは既知の星の1000億倍という桁外れの値であり、恒星の原動力である核融合反応では到達しえないエネルギーを放っていた。

こうした特性を説明できるのはブラックホール以外にない。研究チームが太陽の100万倍から1000万倍の質量を持つ超大質量ブラックホールを中心に置いたシミュレーションを実行すると、観測データと高い一致を示した。この天体は、中心のブラックホールが周囲のガスを飲み込みながらエネルギーを放ち、それを包む巨大なガスが恒星のように輝く仮説上の天体そのものだったのだ。これまでブラックホール星は銀河の光に埋もれた状態でしか捉えられていなかったが、今回の天体は周囲の光を圧倒するほど明るく、混じり気のない観測が可能になった。もっとも研究チーム自身が、現在のモデルはきわめて単純化したものであると指摘しており、ブラックホールの質量についても、光の読み取り方次第では過大評価されている可能性があると慎重に述べている。

この発見は初期宇宙におけるブラックホールの成長過程を理解する上で重要な手がかりとなる。初期宇宙に存在する巨大なブラックホールがどのようにして短期間で成長したのかは、現代の宇宙論における長年の謎であり、ブラックホール星はその初期段階を示す存在かもしれないと研究チームは考えている。また無数のLRDも同じメカニズムで説明できる可能性があり、今後の観測と分析が進むことで、宇宙初期の物理現象がより明確になっていくと考えられる。こうした宇宙観測技術の進化と分析手法の高度化は、衛星システムや観測機器に関わる日本の部品・装置・素材メーカーにとっても、技術開発の新たな指標となっていくだろう。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:カラパイア

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