重力波解析、ブラックホール偽物の探索を絞り込む
複数の観測装置が検出した重力波をスピン誘起四重極モーメントの測定で分析することで、ブラックホールと類似した特性を持つエキゾチック天体を区別する方法が実装段階に進んだ。国際研究チームがこの手法を2024年10月に検出された重力波現象に適用し、観測対象がケルブラックホール(質量と回転だけで決まる回転ブラックホール)と一致することを示した一方で、他の仮想的な天体の可能性を制約することに成功した。
ブラックホール合併は時空のさざ波である重力波を放出するが、この波形は異なる性質を持つ他のコンパクト天体からの信号に酷似する可能性がある。物理学者たちは長年、本物のブラックホールと「ニセモノ」を判別する方法を模索してきた。その答えの一つが、回転によって天体の質量分布がどれほど球形から歪むかを示すスピン誘起四重極モーメントに着目する方法である。2017年に発表された理論では、重力波観測によってこの値を測定すれば、天体がブラックホールなのか、あるいはボソンスターなどのエキゾチック天体なのかを判定できると提唱されていた。今回の研究は、この方法が実際の検出データに基づいて機能することを初めて示したものだ。
分析の対象となったGW241011は、米国のLIGO ハンフォード検出器とイタリアの干渉計ヴィルゴが検出した重力波現象である。ここで合併した2つのコンパクト天体は、質量がそれぞれ約19.6太陽質量と5.9太陽質量と推定されており、より大きい天体は約0.78という無次元スピンを示していた。この高い信号対雑音比(ネットワーク全体で約36)と質量の大きな非対称性、そして急速に回転する主要天体という条件が揃ったことで、スピン誘起四重極モーメントの測定精度が従来より大幅に向上した。国際研究チームはこの測定値を使って、複数のエキゾチック天体モデルとの比較を行った。その結果、四重相互作用を持つ回転ボソンスターを含む広範なエキゾチック天体のクラスは、観測された主要天体の性質を説明できないことが判明した。同時に、充分にコンパクト(圧縮度C≳0.24以上)なエキゾチック天体は依然として実現可能性があると示された。
この成果は、重力波観測が一般相対性理論の予測をテストする道具として、理論物理学と観測天文学の接点をさらに強化したことを意味する。日本の製造業にとっては、KAGRA検出器を含むこの国際的な観測ネットワークの精密測定能力を支える光学系、鏡、真空技術といった部品やシステムの開発が、世界的な科学基盤の重要な一部であることに改めて向き合う契機となる。今後、より高感度で安定した検出器の実現に向けては、精密加工、低振動マウント、温度制御、光学コーティングなど、多くの領域で部品サプライヤーの技術進化が求められることになるだろう。
※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。
出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります




