JWST、系外惑星の衛星発見を否定—意外な朗報
太陽系外の惑星を周回する「太陽系外月」の検出に向けて、宇宙望遠鏡JWSTの観測手法に重要な進展がもたらされた。複数回の観測データを組み合わせることで、観測機器のノイズを軽減し、従来よりも小さい月の存在を検出できる可能性が示されたのである。
JWSTはこれまで太陽系外月の発見に至っていない。原因は、検出器の温度変化や指向のずれによる「赤ノイズ」と呼ばれる低周波ノイズ、および恒星表面のすぐれによるノイズだった。単一の観測では地球サイズより小さい月の検出は困難である。コロンビア大学のデイビッド・キッピング氏の新しい研究が示すところによれば、同じ惑星の複数の通過イベント(トランジット)を観測し、データを統合することでこの問題を解決できるという。
実証の対象となったのはLP 890-9 cという岩石型惑星である。この惑星は超低温矮星を周回し、地球から約105光年離れた位置にあり、8.46日の周期で恒星に非常に接近している。JWSTが12回にわたって観測した同惑星のデータを組み合わせることで、ノイズが平均化される仕組みが実証された。その結果、地球半径の0.1倍までのサイズの月について、存在しないことを95%の信頼度で確認できた。この検出感度は、太陽系外での月探索としては過去最高である。ただし実際にはLP 890-9 cの極めて過酷な潮汐環境が理由で、そのような大きさの月が長期間存在することは物理的に考えられない。恒星からの距離が0.04AU という至近距離では、潮汐力により月は数十億年の時間スケールで消滅するか衛星系へ変化するからだ。
本研究が示す最大の知見は、JWSTに「検出不可能な下限値」が必ずしも存在しないということである。従来、多くの天文学者はJWSTのノイズレベルが小型の太陽系外月の検出を本質的に制限していると想定していた。しかし複数回の継続的な観測によってその障壁を乗り越える可能性があることが判明した。この論文は概念実証の位置付けであり、太陽系外月の初検出は技術的に実現可能な段階に到達したといえる。残された課題は、JWSTの観測時間という極めて希少な資源をいかに配分するかである。宇宙の最初期の観測から月の追跡まで、多岐にわたる科学目標が競合しており、太陽系外月の発見を現実化するにはさらなる観測時間の確保が不可欠だと考えられる。
日本の部品・装置メーカーにとって、この進展は複数の層で関わる。一つは、JWSTのような次世代観測機器の要求精度が継続的に高まることであり、検出器や光学部品、制御システムの供給元として対応する技術開発が求められる点だ。もう一つは、こうした基盤的な観測機器の安定供給と性能維持の重要性が増していくということである。太陽系外月の検出という科学的目標の達成は、究極的には製造業の材料・精密加工・品質管理の累積によって支えられているのだ。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります




