ローマン宇宙望遠鏡が打ち上げ、隠された宇宙を探求へ
NASAの新型ローマン宇宙望遠鏡が、日曜日にスペースXのファルコン・ヘビーロケットでケネディ宇宙センターから打ち上げられた。この43億ドルの大型プロジェクトは、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が位置する100万マイル(160万キロメートル)先の観測地点を目指し、3ヶ月以上かけて到達する。打ち上げは予定より11ヶ月早く、予算内での実行となった。
この望遠鏡は、NASAの初代主任天文学者ナンシー・グレース・ローマンの名を冠しており、女性の名前を付けた初めてのNASA宇宙望遠鏡となった。米国家偵察局の余剰衛星光学系を再利用して製造されたローマンの主鏡は、直径約2.4メートルでハッブル宇宙望遠鏡と同じ大きさだ。だが性能は大きく異なる。赤外線広視野カメラの感度はハッブルと同等でありながら、観測速度は1000倍速く、ハッブルが1ヶ月かけて観測する領域をローマンなら同じ期間で完了できる。さらに「コロナグラフ」と呼ばれる実験的な装置により、対象の星の光を遮断して、その周囲を回る惑星を直接撮像することが可能になる。
ローマン望遠鏡が解明を目指す対象は、単なる発見にとどまらない。数千の超新星、数万の惑星、数十億の銀河、数百億の星の発見が予想されているが、最大の科学的課題は、宇宙の大部分を占めるながら依然として謎に包まれている暗黒物質と暗黒エネルギーの性質を明らかにすることである。ローマンが作成する銀河のカタログは、これら未知の力による宇宙の膨張速度の計算に貢献すると考えられ、宇宙論の根本的な理解を深めるものになると考えられる。同時にハッブル、ジェームズ・ウェッブのほか、欧州宇宙機関のユークリッド衛星や米国立科学財団のヴェラ・ルービン天文台と連携することで、宇宙観測の能力が飛躍的に高まる見通しである。ローマンの広大な視野が発見した対象を、ウェッブがより詳細に調査するという分業体制が機能することで、効率的で包括的な謎解きが実現する可能性がある。
大型宇宙プロジェクトの実現には、精密光学部品、断熱材、構造用複合材料、電子制御システム、耐宇宙環境材料など、多種多様な高度な部品・装置・素材が必要とされる。ローマン望遠鏡の打ち上げ成功は、こうした宇宙産業全体に新たな機会をもたらすものである。国際的な大型宇宙機器の製造では、これらの供給チェーン形成が進む傾向にあり、精密製造や材料開発で強みを持つ日本企業にとって、需要増加が期待される。こうした超大型プロジェクトの成功は、関連するサプライヤー群の技術基盤の高度化を促す一方で、宇宙環境への無限の信頼性・耐久性要求が、国内メーカーの技術革新の源泉となる可能性がある。ローマンのような大型プロジェクトが次々と実現するとすれば、その過程で積み上がる高度な製造ノウハウや材料技術は、将来の宇宙産業の競争力を左右する可能性さえある。
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