900台の望遠鏡配列で地球型外惑星の大気を単一通過観測で検出可能に
地球のような系外惑星の大気を検出する観測は、従来の望遠鏡設計の常識に立ち向かう課題だった。その困難を解く提案が、中国・スペインの国際研究チームから発表された。
惑星が恒星の前を横切るとき、その大気を通った光を分光分析することで、酸素やオゾン、水蒸気といった成分を読み取ることができる。しかし地球のような惑星の場合、この信号は約百万分の一という微弱なものだ。通常の観測では、同じ測定を何度も繰り返してノイズを平均化させることで感度を上げている。だが地球型軌道を回る惑星のトランジットは年に1回しか起こらず、10年間の観測でようやく10回のチャンスが得られる程度。この条件では、一度の観測で高い精度を達成する必要があり、従来の積み重ね戦略は通用しない。それゆえ必要な光子を数時間で集めるには、直径30メートルもの巨大な宇宙望遠鏡が必要とされていた。JWST(ジェームス・ウェッブ宇宙望遠鏡)の鏡が6.5メートルであることを考えれば、その難度の高さがわかる。
こうした課題に対して、上海天文台のジアン・ゲ氏らが提案したのが「Life 2.0」という新しいコンセプトだ。1メートルの小型望遠鏡900台を分散型アレイとして宇宙に配置し、それぞれが独立してトランジットを観測、各々で校正されたスペクトルデータを後で組み合わせるという構想である。この手法により、30メートルの単一の鏡と同等の集光能力を実現しながら、巨大な鏡の設計・製造という技術的ハードルを回避できる可能性がある。
この提案が現実的である理由の一つは、量産設計にある。各ユニットは同一仕様の1メートルシリコンカーバイド鏡とCMOS検出器、ウェーブガイド分光器を搭載する。カスタムメイドの巨大鏡は製造に年月を要し、破損時のリスクも大きいが、同一ユニット900台の生産は量産型のプロセスとなる。プロトタイプの分光器はすでに40~66%の光学効率を実現しており、技術実現性も示されている。
PLATO、中国のEarth 2.0といった系外惑星探索ミッションが次々と候補星を提供する時代において、それらの候補を詳細に観測する手段をいかに用意するかが、宇宙産業全体の課題となっている。Life 2.0のような分散アレイ方式は、従来の単一大型望遠鏡中心の発想から、大量生産可能な小型ユニットの組み合わせへと設計思想をシフトさせるものだ。日本の光学・検出器メーカーにとって、こうした900ユニット規模の部品・素材供給は、新たなサプライチェーン機会をもたらす可能性を秘めている。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります




