スペースX、約16時間で「ファルコン9」を2回打ち上げ 合計56機のスターリンク衛星を軌道投入
スペースXが8月22日、米国内の2つの発射場から約16時間の間隔でファルコン9ロケットを連続打ち上げし、合計56機のスターリンク衛星を地球低軌道へ投入した。1日以内に大陸間で2つの大型打ち上げを実行する能力を実証した形である。
最初の打ち上げはケープカナベラル宇宙軍基地から日本時間22日0時14分に実施され、スターリンク衛星29機が軌道に投入された。この際に使用されたファルコン9の第1段ブースター「B1078」は、今回が30回目の飛行である。このブースターはこれまで有人宇宙飛行ミッション「Crew-6」、複数の通信衛星打ち上げ、アメリカ国家偵察局のミッション、さらには他社の通信衛星など、極めて多様なペイロードの打ち上げに活用されてきた。今回の打ち上げでも約8分25秒後に大西洋上のドローン船への無人着陸に成功し、回収されている。その約16時間後、西海岸のヴァンデンバーグ宇宙軍基地からも同じファルコン9が発射され、スターリンク衛星27機が追加で投入された。こちらで使用されたブースター「B1100」は9回目の飛行であり、国家偵察局のミッションを経ての再利用である。こちらも打ち上げから約8分23秒後に太平洋上のドローン船への着陸に成功している。
この短期間での連続打ち上げは、ロケット再利用技術がもはや実験段階ではなく、打ち上げ運用の常態化した一部として機能していることを示唆している。複数の飛行実績を持つ使用済みブースターが十分な信頼度で再飛行でき、かつ運用を支える複数のブースターが並行して準備・維持される状態が実現してきたことになる。これにより、従来は発射場の物理的な制限要因となっていた打ち上げ頻度を、大幅に高める事が可能になった。スターリンク衛星群の急速な軌道投入ペースは、グローバルな衛星インターネット基盤の構築が加速していることを意味し、宇宙産業全体の商業需要が急速に拡大していることを映し出している。
日本の部品製造業やサプライヤーにとって、こうした大規模衛星展開の継続ペースは、供給能力への新しい要求を突きつけている。スターリンク衛星の製造・打ち上げペースが加速するほど、衛星本体や搭載機器を構成する部品の調達・納入タイミングはより高度に管理される必要が生じる。単に部品の品質基準を満たすだけではなく、予測可能な短納期と迅速な量産対応が、国際競争における競争力の分かれ目となると考えられる。こうした動向は、日本の精密加工産業や電子部品産業に新たな成長の機会をもたらす一方で、グローバルなサプライチェーン圧力への対応能力の構築が不可欠な環境を着実に作り出している。
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出典:sorae





