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本来よりも若く見える白色矮星たち ハッブル宇宙望遠鏡が観測した散開星団「NGC 6791」

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ハッブル宇宙望遠鏡が観測した散開星団NGC 6791で、本来なら同じ年代のはずの恒星たちの年齢が大きく異なることが報告された。その矛盾の謎は、観測上の限界と星の内部での物理現象が組み合わさったものであることが明らかになった。

NGC 6791はこと座の方向、地球から約1万3300光年先にある散開星団である。約1万個の星が集まったこの星団は既知の散開星団の中でも最大級・最古級に数えられ、全体の年齢は約80億年と見積もられている。散開星団は通常、ガスと塵から同時期に生まれた星々の集団であり、属する星々の年齢は揃っているはずである。ハッブル宇宙望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)が取得した画像を詳しく調べると、白色矮星(※)の中に低温で暗い約60億歳のグループと高温で明るい約40億歳のグループが存在することが判明した。星団全体の年齢とも一致せず、白色矮星どうしの年齢も食い違う事態が生じたのである。

※…太陽のような比較的軽い恒星が進化の終盤で外層のガスを放出した後に残される高密度な天体。地球ほどのサイズながら太陽と同程度の質量を持つ。

この矛盾を解く鍵となったのは、観測上の限界と星の物理的プロセスが同時に作用していたことであった。若く見える約40億歳のグループの白色矮星は、実際には別の星と連星を組んでいたことが判明した。地球から遠く離れているために2つの星が1つの光源に見え、より明るく観測されたことで、温度に基づいて算出される見かけの年齢が実際より若くなっていたのである。連星であることが確認された後、残された謎は「約80億歳の通常の恒星」と「約60億歳の白色矮星」という2つの年齢グループの差異へと絞られることになった。

白色矮星の年齢は温度の冷却具合から算出されるため、何らかの理由で冷却が遅れれば、白色矮星は本来より若く見積もられる可能性がある。NGC 6791に存在する白色矮星に見られた若さは、星の内部で元素が沈み込む際に重力エネルギーが解放されることで、冷却プロセスに遅れが生じたためだと考えられている。遠い宇宙で起きている複雑な現象を理解するために、どれほど高度な観測機器と精密な分析が必要であるかを改めて示す事例となっている。

今回のような観測を実現するハッブル宇宙望遠鏡は、極めて精密な光学部品、超高感度のセンサー、堅牢な制御システム、その他多くの高度な部品・装置が組み合わされた複合システムである。宇宙観測技術の進展と高度化は、こうした精密機器の部品・装置を製造する日本の産業基盤に対して、新たな技術要求をもたらしつづけている。今回のNGC 6791の観測成果は、そうした宇宙科学の最前線での成功事例であるとともに、基礎科学の発展が産業全体の技術高度化を促進することの意義を示していると言える。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:sorae

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