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NASAの「パーカー・ソーラー・プローブ」が29回目の太陽最接近を完了 ミッションは2029年まで延長

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NASAの太陽探査機パーカー・ソーラー・プローブ(PSP)が29回目となる太陽への最接近を完了した。今回の接近でも、同機は過去の自身の記録に並ぶ最高速度と距離に達しており、太陽表面から約620万kmまで接近しつつ、太陽コロナの観測を継続している。2018年の打ち上げから現在まで、PSPは太陽活動のダイナミックな変化を一貫して捉え続けてきた唯一の探査機であり、その継続的なデータ取得は宇宙科学と産業応用の両面で価値を持つ。

PSPが打ち上げられた2018年当時、太陽は11年周期における活動の最も静穏な「極小期」に近い段階にあった。その後、2024年10月にはNASAとNOAAが現在の太陽活動周期が「極大期」に達したと発表している。つまり、PSPが収集してきた29回分の観測データは、太陽活動が静穏期から活発期へと遷移する過程を、一貫して記録してきた極めて貴重な資料となっているのだ。今回の太陽最接近時の距離は約380万マイル(約620万km)、最高速度は時速約43万マイル(時速約68万7000km)であり、この記録はPSP自身が2024年12月に樹立したもので、その後8回連続で同じ水準を維持している。太陽からの強烈な放射から機器を保護する特殊なシールドの存在があってこそ、PSPは1日で太陽の全周の40%近い範囲を観測することが実現されている。

このミッション延長が宇宙産業にとって持つ意味は、宇宙天気予測の精度向上にある。太陽風や太陽フレアなどの太陽活動は、宇宙飛行士や人工衛星だけでなく、航空機や地上の送電網にも影響を及ぼし得る現象である。PSPによる継続的な観測と解析は、こうした宇宙天気現象をより正確に予測することを可能にし、将来の月・火星探査における宇宙飛行士の安全確保に直結するとNASAは述べている。2026年の定期審査を経て、PSPのミッションは2029年まで延長されることが決定されており、太陽活動が再び極小期へと推移していく過程の記録も継続される見通しである。これにより、太陽活動の完全な1サイクル近くをデータで追跡することが可能になる。

日本の部品・装置・素材メーカーにとっては、このような太陽観測ミッションの継続が、衛星や宇宙機器の耐放射線性能要求の進化につながる可能性がある。宇宙天気予測の精度が向上すれば、宇宙機器の設計段階での放射線対策仕様がより最適化され、その結果として部品やコーティング技術、遮蔽材料といった新たなニーズが生まれることも考えられる。また、国内の宇宙開発機関が独自の太陽観測ミッションを検討する場合、PSPの観測手法や機器保護技術は重要な参考値としての価値を持つだろう。国際的な宇宙開発の協力体制の中で、こうした知見を活かした次世代システムの開発が進むことで、日本メーカーの関わる機会も増えていくと考えられる。

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出典:sorae

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