花火のような超新星残骸「Pa 30」 ジェミニ北望遠鏡の観測で連なる塊状の構造が明らかに
イメージ ハワイのマウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡の観測により、超新星残骸「Pa 30」の中心から放射状に広がる筋状の構造が、滑らかな線ではなく小さなガスの塊が鎖のように連なったものであることが明らかになった。米国のNOIRLabが2026年10月6日付で画像とともに公開し、研究チームの成果は学術誌「The Astrophysical Journal」に掲載されている。
Pa 30は、1181年に記録された超新星「SN 1181」の残骸である可能性が高いと考えられている。当時は中国、日本、アラブの天文学者が記録を残し、185日間にわたって見え続けたとされる。超新星残骸は、爆発で飛び散った物質が周囲のガスとぶつかる衝撃波によってガスが加熱され、粒子が加速されることで光や電波、X線を放つ天体だ。研究チームは、塊の大きさがそろって見えることや、爆発で広がった物質が周囲の温度や密度のむらによって形作られた可能性があると説明している。画像中央に残る青白い星は爆発後に残った中心星とみられ、その位置が残骸のほぼ真ん中にあることから、今回の爆発はかなり対称的だったと研究チームは結論づけている。Pa 30は天の川銀河で知られている唯一のIax型超新星の残骸とされる。白色矮星が吹き飛ぶと考えられている標準的なIa型と違い、星が生き残るとみられるタイプであり、その起源を探る手がかりになると期待される。
超新星残骸の内部構造は、爆発の仕方や周囲の環境を推定するための材料になる。今回のように塊の並びまで細かく捉えられるようになったことは、観測精度の向上が理論の検証を前に進めていることを示している。宇宙産業にとって直接の市場変化を伴う話ではないが、こうした観測を支えるのは大型望遠鏡の鏡や光学系、高感度の検出器、精密な駆動機構といった装置である。観測装置の性能を高める取り組みは、基礎科学の基盤として長く続く需要につながると考えられる。
日本の製造業にとっては、望遠鏡の架台や支持構造の高精度加工、分光器や検出器に使われる精密光学部品、低温や真空といった厳しい環境で使う素材などが関わりうる領域だ。天文分野の装置は要求される精度が極めて高く、国内の部品サプライヤーにとって技術を磨く場になりうると考えられる。ただし今回の記事は観測結果の報告であり、特定の発注や市場の動きを示すものではない点は押さえておく必要がある。
※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。
出典:sorae



