中国が「長征12号」打ち上げ 衛星インターネット低軌道第24組衛星を軌道投入
イメージ 中国が低軌道衛星インターネット計画を急ピッチで進めている。8月16日、中国航天科技集団(CASC)が長征12号ロケットで「衛星インターネット低軌道第24組衛星」を軌道投入したが、わずか12日前に第23組衛星が打ち上げられたばかりだ。この連続した打ち上げは、中国がグローバルな低軌道衛星通信網の構築を、驚くべき速度で進めていることを示している。
中国が進める衛星インターネット計画は、中国衛星ネットワーク集団が主導する「国網(グオワン)」と呼ばれるプロジェクトである。本記事では衛星の機数や詳細な仕様は明かされていないものの、すでに第24組に達している点から、相当な規模の衛星群が必要とされていることがわかる。長征12号ロケットは、このプロジェクト専用に開発された新型ロケットであり、今回の打ち上げは長征シリーズ通算663回目だ。中国の打ち上げインフラが、定期的・継続的に稼働していることを示す数字である。わずか12日間隔での連続打ち上げが可能な背景には、海南商業航天発射場など複数の打ち上げ施設の整備と、サプライチェーン全体の効率化がある。
この動きの本質的な意義は、グローバルな通信インフラの覇権を巡る構図にある。低軌道衛星インターネットは、スペースXのスターリンクが先行する市場だが、中国もまた独自の衛星群による通信網の構築を通じて、この領域への本格参入を遂行中だ。衛星群は数が多いほど地球をカバーする効率が高まり、通信インフラとしての実用性が向上する。つまり、相次ぐ打ち上げは単なるロケット飛行の達成ではなく、中国が構築する衛星ネットワークが、実際に機能する通信インフラへと成長していることを意味する。このインフラが完成すれば、中国は世界規模の通信市場へのアクセスを得られるだけでなく、発展途上国への影響力や、地政学的な優位性をも確保することになる。
日本の製造業にとって、この展開は現実的な機会と課題をもたらしている。第一の機会は、衛星部品や打ち上げ関連機器、電子・光学素材の需要急増である。精密加工、電子部品、材料技術など、日本が強みを持つ領域の製品が、こうした大規模な衛星計画に取り込まれる可能性は大きい。既に、中国の衛星プログラムの拡大に応じて、日本メーカーへの発注も増えている分野は存在する。一方で、課題も明白だ。中国が独自の衛星インターネット計画に資源を投下し続けることで、衛星製造や打ち上げに必要な部品やサービスの国産化・自給率向上が同時進行している可能性が高い。つまり、日本のサプライヤーは、受動的に中国企業からの発注を受けるだけでなく、技術的優位性を保ち、提案型営業を強化することで、自社の地位を能動的に守る必要が増してきたと考えられる。
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出典:sorae




