中国が「長征12号」を打ち上げ 衛星インターネット低軌道第25組衛星を軌道投入
イメージ 中国が低軌道衛星インターネット事業の構築を着実に加速させている。9月17日、CASC(中国航天科技集団)は海南省の海南商業航天発射場から長征12号ロケットを打ち上げ、衛星インターネット低軌道第25組衛星を予定軌道に投入した。低軌道での衛星インターネット計画は世界規模での競争が激化している領域だが、中国がどのような戦略で取り組んでいるかを示す重要なデータ点である。
この衛星群は国網(GuoWang)と呼ばれる中国の衛星インターネット計画の一環である。低軌道での衛星インターネット事業は、グローバルな通信インフラとしての価値が認識されており、複数の国や企業が競争する分野となっている。中国も、大規模な衛星群の構築を通じて、この市場への参入を進めている。今回のミッションが第25組であるという事実は、一度きりのプロジェクトではなく、継続的に衛星を追加・拡張していく計画の進行中であることを示している。打ち上げペースや衛星数の拡大傾向から判断すると、中国は相応の資源を投入し、腰を据えてこの事業に取り組んでいることが読み取れる。
今回使用された長征12号は、中国が開発した新世代ロケットである。液体酸素とケロシンを推進剤とする2段式の設計で、全長は約62メートル。注目すべき点は、中国で初めて直径4メートル級の単一コア構成を採用したロケットとされていることである。これはロケット技術の進化、特に大型化と効率化への取り組みを示している。高度700キロメートルの太陽同期軌道に対して6トン以上のペイロード投入能力を備えており、フェアリングも複数サイズに対応可能なため、異なるミッション要件への柔軟な対応が可能である。長征シリーズの通算667回目の打ち上げという記録からは、中国の宇宙プログラムの規模の大きさと継続性が明らかである。
低軌道衛星インターネット事業が本格化することは、宇宙産業全体のサプライチェーンに大きな影響をもたらす。衛星の製造、ロケットの開発・製造、打ち上げサービス、軌道上での運用と管理など、多段階のプロセスそれぞれで部品や装置の需要が継続的に発生する。中国が国レベルでこの領域に投資を集中させることは、衛星部品産業の需要増加と、東アジア地域における衛星・ロケット産業の競争激化を意味する。複数の衛星を組み合わせた衛星群の運用は、地上設備や管制システムなどの周辺産業も含めて、幅広い産業分野の成長機会をもたらす可能性がある。
日本の部品メーカーや装置メーカーにとって、この動向は複数の観点から関連性を持つ。ひとつには、衛星インターネット事業の拡大に伴う部品供給の機会が増える可能性である。宇宙産業向けの高品質部品やセンサー、通信装置などは、日本メーカーが強みを持つ領域が多い。同時に、中国メーカーの技術レベルの向上と、国家レベルの支援を背景とした競争力強化に対して、目を向けておく必要がある。さらに、衛星インターネット市場の成長により、国際的なサプライチェーンの再編や、新たなパートナーシップの形成が進む可能性も考慮すべきである。
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出典:sorae




