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ESAがISS民間ミッションでVast社と合意 ギリシャが初の有人宇宙飛行へ

Vast社が欧州宇宙機関(ESA)と契約を締結し、ISSへの民間宇宙飛行ミッション(PAM)にギリシャとチェコの宇宙飛行士を送る計画が明らかになった。これにより両国にとって初の有人宇宙飛行が実現される運びとなり、民間企業による宇宙ステーション利用が急速に広がっていく動きを示している。

今回のミッションはNASAが民間企業に開放するISS利用ミッションの6回目となる。クルーはフランスのThomas Pesquet氏がコマンダー、チェコのAleš Svoboda氏がパイロット、ギリシャのAdrianos Golemis氏がミッションスペシャリストを務め、4人目のメンバーは後日発表される予定である。特にGolemis氏はESAで長年にわたって宇宙飛行士の健康管理を担当してきた航空宇宙医学の専門医で、医療業務を中心にミッション活動に従事することになる。本ミッションはSpaceX社が運用するクルードラゴンで実施され、ISSでの滞在期間を通じた有人宇宙活動が計画されている。正式な実施にはNASA、ESA、ロスコスモス、JAXA、カナダ宇宙庁の5つの宇宙機関で構成されるMCOP(多数者間搭乗員運用パネル)の承認が必要とされている。

民間企業によるISSミッションの参加者が、従来の限定的な国々から大きく広がる傾向が顕著になっている。直前のミッション(Ax-4)ではインド、ポーランド、ハンガリーから各1名ずつ宇宙飛行士が参加し、これら3国にとって旧ソ連時代以来、40年以上ぶりの有人宇宙飛行となった。今回ギリシャとチェコからの参加も同じく初めての有人飛行であり、ISSを舞台とした民間ミッションが、かつての国家主導の宇宙計画では実現しなかった国々の有人宇宙活動を可能にしている。これはISSの商業利用が拡大する一方で、ISSの運用終了後に民間企業による商業宇宙ステーションが主流となる時代への過渡期を象徴するものといえる。

複数のESA加盟国の宇宙飛行士がISS民間ミッションに相次いで参加する事例は、ISSの終了後における商業宇宙ステーション時代の先行モデルとなる可能性が高い。民間資本による宇宙ステーションが技術的・運用的に確立されていくなかで、各国の宇宙機関はこうした民間施設の利用を政策上の新たな選択肢として組み込む方向へ向かっていると考えられる。これまで国家プログラムに限定されていた有人宇宙活動が、商業化の波に乗ることで国々の参加の敷居が下がり、より多くの国が宇宙での活動機会を得られる環境が整いつつある。

日本の製造業、特に部品・装置・素材サプライヤーにとって、この動向は無視できない転換点である。民間ミッションの増加に伴い、有人宇宙ステーション関連の機器や部品の需要が増加するとともに、調達先やサプライヤーの多様化が進むと見込まれる。商業宇宙ステーション時代では打ち上げ頻度が増加し、機器・部品の信頼性と納期管理がより厳しく問われるようになる。日本のサプライチェーンが欧米の大手企業との既存の取引に続いて、こうした新興の民間事業者との協力機会を開拓することが、産業としての競争力強化に直結すると考えられる。

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出典:sorae

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