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“ピンクの惑星”「GJ 504 b」には “塩類の雲” が浮かんでいる ウェッブ宇宙望遠鏡の観測で判明

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ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による観測で、太陽系外惑星「GJ 504 b」の大気に硫化亜鉛と塩化カリウムからなる「塩類の雲」が浮かんでいることが判明した。この天体は従来スペクトルデータが取得できず、惑星なのか褐色矮星なのか判定が曖昧だったが、今回の観測により惑星に近い性質を持つ天体であることが高い確率で示唆された。

GJ 504 bは2013年に発見された際から謎の多い天体だった。地球から約57光年離れた位置にあり、当初は木星の4倍の質量を持つ惑星と推定されていたが、その後の研究で質量が木星の20~30倍に上方修正された。質量がこの程度になると、通常は惑星と褐色矮星の中間的な「惑星質量天体」として分類される。さらに謎だったのは、この天体が理論的な温度よりも明らかに低温であること。これらの不確実性の根本原因は、GJ 504 bが非常に暗い天体であるため、スペクトル分析に必要なデータを既存の望遠鏡では取得できなかったことにある。表面温度や大気成分といった天体の詳しい性質を知るには、光を波長ごとに分析するスペクトルデータが不可欠だが、かろうじて撮影できる程度の光量しかない天体では観測が極めて困難だったのだ。

JWSTはこの状況を一変させた。2022年から稼働した同望遠鏡は、従来の観測機器では得られなかった弱い光でも詳しく観測できる巨大な鏡を備えている。実際、GJ 504 bのスペクトルデータは、JWSTを用いればわずか2時間の観測で取得できた。過去の望遠鏡は一晩中観測してもデータ入手に失敗したことを考えれば、この性能の飛躍は明白だ。得られたスペクトルからは、大気に水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、アンモニア、硫化水素が検出され、さらにこれらの分子だけでは説明できない信号が大気中の雲に由来することが判明した。モデル分析の結果、雲は硫化亜鉛と塩化カリウムで構成されていると推定された。同時に測定された表面温度は約290℃、質量は木星の約25倍であり、大気中の重い元素の割合は惑星に近い値を示していた。これらの性質から、GJ 504 bは褐色矮星というよりも惑星に近い天体である可能性が高いと考えられるが、褐色矮星である可能性が完全に排除されたわけではないと研究チームは結論付けている。

この研究結果は、JWSTの観測能力の向上が宇宙科学の領域で何をもたらすかを端的に示している。これまでスペクトル観測ができた天体は表面温度が低くても500℃程度だったが、今回は290℃という大幅に低温な天体が観測された。このような観測能力の拡大により、従来観測不可能だった様々な天体が次々と詳細に調べられるようになる可能性を示唆している。日本の部品・装置・素材メーカーにとって、こうした次世代観測機器の開発・製造は重要な市場機会だ。赤外線検出や高精度光学部品、低温冷却技術といった宇宙機器に必要な要素技術は、日本企業が強みを持つ分野である。JWSTのような大規模な宇宙望遠鏡の実現を支えるのは、こうした部品サプライヤーの精密加工技術であり、観測技術の進歩と共に、これを支える部品サプライチェーンの重要性も一層高まっていく。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:sorae

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