スペースXが「スターシップ」第14回飛行試験を日本時間9月28日にも実施予定 初の周回飛行へ
イメージ スペースXのスターシップが第14回飛行試験で初めて地球周回軌道への投入を実現する。9月28日の打ち上げに向けて準備が進められており、この試験は再利用型ロケットの実用化に向けた重要なマイルストーンとなる。
これまでのスターシップ飛行試験は、安全性を考慮して地球を1周しない準軌道飛行に限定されていた。第12回試験(2026年5月)以降は第3世代の機体が使用されており、これまでに2回の準軌道飛行に成功している。特に第13回試験(7月)では、インド洋への着水後も機体が破壊されずに残存し、スペースXは飛行終了後の機体から直接データを得ることに成功した。こうした段階的な改良と検証を積み重ねた結果が、今回の周回軌道投入試験へと結びついている。
今回の試験では、スターシップ宇宙船が高度約275kmの軌道を約10時間で約6周する予定だ。同時にスターリンク衛星V3の26機が搭載され、この世代の衛星として初めて実際の運用軌道への投入が行われる。前回の準軌道飛行での放出テストとは異なり、今回は本番運用を想定した衛星投入となる点が重要である。1機あたり1Tbpsの通信容量を追加するこの衛星群が軌道に投入されることは、スターリンクのサービス拡大に直結する。また、スターシップ機体の耐熱タイルの状態を把握するため、3機のスターリンク衛星にはカメラが搭載される。
特に注目される点は、第13回試験を生き残った機体から回収された2枚の耐熱タイルが、今回初めて再利用されることだ。前回の飛行試験を経験した機体からは、タイルの脱落リスクや設計に関わる知見が得られており、その知見が今回の改良点として反映されている。再利用型ロケットの実現には、エンジンだけでなく耐熱材料の耐久性と再利用可能性の確立が不可欠であり、この試験はそうした技術的な課題への実践的な対応を示している。
スーパーヘビーブースターの改良も並行して進められている。前回の飛行試験では帰還時のエンジン燃焼で一部エンジンに氷詰まりの兆候が見られたが、今回はフィルター能力の改善とソフトウェアの変更で再点火信頼性を向上させる。こうした繰り返しの改良と検証を通じて、ロケットシステム全体の信頼性が段階的に高まっている。
スターシップが周回軌道投入に成功すれば、再利用型大型ロケットの実用性がさらに高まり、今後のスターリンク衛星はスターシップによる打ち上げへと段階的に移行していくことになると考えられる。打ち上げ頻度の増加に伴い、ロケットシステムの各種部品・材料の需要は確実に増える傾向にある。特に耐熱タイルなどの再利用部品や、エンジン周辺の高耐久性部材、複合材料など、サプライチェーン全体での需要拡大が見込まれる。日本の製造業にとっても、スターシップの実用化は国際的な宇宙ロケット市場における需要増という形で関わる可能性を持つ。
※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。
出典:sorae



