UchUchU
sorae #月

三菱電機、SWISSto12と覚書 デュアルユース静止通信衛星などで協業検討

イメージ

三菱電機がスイスの宇宙技術企業SWISSto12と、デュアルユース静止通信衛星とコンポーネント製品の開発・製造に関する戦略的協業の覚書を締結した。両社は大型・小型双方の静止通信衛星で、民間と防衛の両用途に対応できる製品ラインアップを構築し、国内外の市場機会を創出することを目指している。

SWISSto12の主な技術的強みは、小型の静止衛星バス「HummingSat」と、3Dプリンティング技術を用いた複雑形状コンポーネント製造にある。HummiingSatは静止軌道で運用される小型衛星プラットフォームであり、広域で安定した通信を維持しつつ、特定地域への通信能力を柔軟かつ迅速に提供できるとされている。これに対して、三菱電機は大型衛星バスの開発・製造・インテグレーション技術と、通信信号処理やビーム形成をデジタル化したフルデジタル通信ペイロード技術を保有している。フルデジタル通信ペイロードにより、打ち上げ後も柔軟な運用が可能になる点が、従来の固定的な衛星設計との大きな違いだ。

二つの異なる技術基盤が統合されることで、大型・小型の両サイズで、民間と防衛の双方に対応できるデュアルユース静止通信衛星の提供が現実味を帯びる。衛星通信技術の高度化に伴い、顧客のニーズも多様化しており、利用用途や地域ごとに異なる仕様が求められている。従来型の「汎用衛星」では対応し難い、カスタマイズされたソリューションへの需要が高まっていると考えられる。今回の協業により、こうした変わりゆく市場要求に応える選択肢が広がり、民間・防衛いずれの顧客セグメントも支える体制が整う。

同時に注目すべきは、3Dプリンティング技術による製造方式の変革だ。衛星用アンテナなど複雑で軽量化が必須のRF製品について、従来法と比べて大幅に短い期間での製造が可能になるとされている。これは単なる開発サイクルの短縮ではなく、試作と改良を繰り返すアジャイルな開発・製造体制の実現を意味する。三菱電機がこの技術を自社の防衛装備品開発に適用することで、変わる安全保障環境や技術進展への対応も含めた製造手法そのものが転換される可能性を秘めている。

日本の部品・装置・素材メーカーにとって、この協業は発注構造の変化を示唆している。従来の大型プロジェクト中心の大量注文から、小型化・多品種・短納期対応へとニーズが細分化してくる可能性がある。また、3Dプリンティング向けの新たな材料需要や、デジタル化されたペイロードに関わるエレクトロニクス部品の多様な仕様対応が求められるようになると考えられる。こうした変化に対応できる技術力と柔軟性を備えたサプライヤーこそが、今後のサプライチェーン内での競争優位を確保することになるだろう。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:sorae

この分野の企業を探していますか?

UchUchUは宇宙産業に関わる日本企業をデータベース化しています。参入検討・取引先探索にお使いください。