スペースX、3週間以上ぶりとなるファルコン9によるスターリンク衛星打ち上げを実施(写真)
2026年10月12日(現地時間)、スペースXはファルコン9ロケットでスターリンク衛星27機を、カリフォルニア州のヴァンデンバーグ宇宙軍基地から低軌道へ打ち上げた。直前のファルコン9によるスターリンク打ち上げは9月19日で、3週間を超える空白を経ての再開となった。
この空白が目立つのは、その前の期間が非常に活発だったためだ。8月19日から9月6日までの19日間に、ファルコン9によるスターリンク打ち上げは7回行われていた。空白の間には、9月28日にスターシップの第14回試験飛行が次世代のV3衛星26機を搬送して実施され、スターシップは初めて軌道に到達したうえで衛星の放出にも成功した。今回の打ち上げでは、一段目ブースターのB1088が20回目の打ち上げと着陸を果たし、洋上のドローン船に着陸した。上段は使い捨てで、打ち上げから62分後に衛星を所定の低軌道へ放出した。今回はファルコン9の今年112回目の打ち上げで、スターリンク向けとしては82回目にあたる。スターリンクの稼働衛星は1万1,100機を超えるという。
この出来事が示すのは、打ち上げ機の世代交代が進みつつあることだ。スペースXはファルコン9とその大型版であるファルコン・ヘビーを今後数年で退役させ、完全再使用を前提とするスターシップへ業務を移す計画を持っている。ファルコン9は2025年に165回飛び、世界の他の軌道打ち上げ機の合計にほぼ匹敵した。その約4分の3がスターリンク向けだったことから、衛星の量産と打ち上げ頻度が強く結びついてきたと考えられる。マスク氏は、V3衛星が最終的に約10万機になり、すべてスターシップで打ち上げられると述べている。ただし、スターシップはなお試験飛行の段階にあり、計画の進み具合は今後の飛行実績しだいだ。2026年の打ち上げ回数がやや減速している理由は記事では触れられていないため、断定はできない。
日本の製造業にとっては、衛星1機あたりの部品需要と、打ち上げ1回あたりの搭載量の変化の両方が関係してくる可能性がある。衛星を大量に量産する体制が求められるなら、構体や太陽電池パネル、アンテナ、推進系などの部品では、品質を保ったまま量産できる能力が評価されると考えられる。スターシップの大型化が進めば、大型構造物や治具の製作、輸送・取り扱いに関わる設備の需要も生まれうる。もっとも、記事は部品や製造の具体的な契約には触れていないため、これらはあくまで一般的な見通しである。日本のサプライヤーとしては、宇宙専用の仕様に限らず、量産工程の安定化や検査の標準化を進めておくことが、将来の案件に対応する足がかりになると考えられる。
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