マテルの懐かしい宇宙玩具『メジャー・マット・メイソン』、ハリウッド映画化へ
1960年代にマテルが販売した宇宙飛行士アクションフィギュア「メジャー・マット・メイソン」の映画化が、改めて検討される可能性が出てきた。本来は2019年にトム・ハンクス主演でパラマウント・ピクチャーズが企画を進めていたが、その後プロジェクトは停滞していた。だが、NASAのアルテミス計画が具体的な段階に進む中で、懐かしい宇宙玩具の映像化が改めて注目される環境が整いつつある。
メジャー・マット・メイソンは1966年に市場投入された玩具であり、当時はアメリカとソビエトの宇宙競争が最高潮にあり、NASAのアポロ計画が月着陸を目指していた時代だった。マテルの設計者たちは、著名な宇宙コンセプトアーティストのビジョンから着想を得て、月面基地や月面車、宇宙機器といった未来的な宇宙施設を玩具に取り込んだ。この製品ラインはハズブロの12インチG.I.ジョーに対抗する6インチのゴム製アクションフィギュアとして開発され、多彩な色のスペーススーツを着た宇宙飛行士キャラクターと、外星人なども含む付属品、および拡張可能なプレイセットが揃っていた。
玩具の設計には元航空宇宙エンジニアが携わり、NASAのコンセプトアート及びプロトタイプから直接着想を得ていたとされている。ジェミニ計画やアポロ計画の日々のニュースに後押しされて、この玩具ラインは高い人気を得ていた。同時に、ベトナム戦争が国内ニュースで大きく取り上げられる中で、銃を持つ兵士のアクションフィギュアが不人気となり、平和的な宇宙探査のテーマは新しい消費者ニーズを捉えていたと考えられる。マテルはこのブランドを単なるアクションフィギュアにとどめず、ボードゲームや塗り絵、ランチボックス、パズルといった周辺商品まで展開し、ポップカルチャー現象へと成長させた。しかし1969年のアポロ11号月着陸を境に、一般大衆の宇宙への関心は急速に低下した。わずか1年後の1970年には生産が終止となり、その後は収集家の価値のある品へと変わっていった。
マテルは「バービー」映画の大成功を経て、映像化事業に積極的に投資を開始した。「ホットウィールズ」の映画化も計画されるなど、懐かしい玩具ブランドの映像化は成功戦略として機能している。2019年の時点では、「ビューティフル・マインド」や「ダ・ヴィンチ・コード」で知られるアキバ・ゴールドマンがスクリプト執筆を担当するなど、一度は企画が真摯に動いていた。しかし現在、NASAはアルテミス計画を加速させており、2027年のアルテミス3ミッション、2028年の月着陸、および恒久的な月面基地の建設を計画している。このような宇宙産業の再活性化は、懐かしい宇宙テーマの映像化を再度検討する契機となり得ると考えられる。
日本の玩具製造業やサプライヤーにとって、このような大手メーカーの映像化事業の拡大は、ライセンス製品や連動商品の製造機会を生み出す可能性がある。宇宙産業の国際化が進む中で、こうした歴史的な宇宙テーマの再評価と映像化は、玩具業界のみならず、関連する製造業全体にとっても新しい需要創出の機会をもたらす可能性がある。
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