17機の宇宙船が太陽爆発について意外な発見、連携観測で解明
2024年12月15日に太陽から放出されたコロナ質量放出(CME)が、太陽系全域に配置された17機の宇宙機によって同時に観測され、予想外の非対称な構造を持つことが明らかになった。これはCME観測における過去最多の宇宙機参加であり、従来のレコードは10機程度に留まっていた。従来の観測では、測定機器が太陽から地球へ至る一直線上に配置されていたため、測定は1次元的にならざるを得なかった。今回は観測機器の配置が飛躍的に拡大し、太陽・地球線から大きく離れた複数地点からの同時観測が実現したことで、CMEの形状を初めて2次元的に詳細に捉えることができた。この多元的な観測視点が、新たな発見をもたらしたのである。
このCMEは2つの非対称なローブ(突起部)を持ち、地球・火星方面へ向かう速いローブ(秒速約522マイル)と西方へ向かう遅いローブ(秒速約332マイル)が共存していた。太陽から放出された直後、速いローブは遅い大型ローブの背後に隠れてしまったため、従来の一方向的な観測では完全には見落とされていた。太陽観測衛星SOHOにも、遅いローブだけが捉えられており、隠れたローブの存在は認識されていなかったのである。複数方向からの観測によってこの隠れたローブの存在が初めて確認できたのであり、このことが多方面観測の重要性を実証する具体例となった。
CME追跡には欧州宇宙機関のBepiColombo(水星探査機)、NASAのSTEREO-A(太陽・地球関係観測衛星)、NASAのEuropa Clipper(木星探査機)など、現在進行中の複数の惑星探査機が参加した。これらの機器が異なる距離・方向からのデータを提供することで、研究チームはCMEが単一の統一された前線ではなく、独立した複数の構成要素を持つ現象であることを明らかにできた。太陽からの荷電粒子の流れは宇宙空間における重大な放射線ハザードであり、地球の磁場外で活動する宇宙飛行士や衛星機器に対して深刻な脅威となる。今後、より強力なCMEが同様の非対称構造を持つ場合、複数方向からの観測がなければ危険な高速ローブを見落とし、予警時間を失うことになりかねない。このため、太陽・地球線の外側に配置された観測機器や惑星間ミッション中の探査機からのデータが、将来の人間探査ミッションの安全確保に不可欠になると考えられる。
日本の宇宙部品メーカーやシステムインテグレータにとって、この観測結果は設計・検査基準の面で重要な示唆を持つ。衛星やロボットアーム、通信機器、そして各種センサーは、宇宙天気の影響を受ける厳しい環境で動作するため、開発段階からの放射線耐性評価がより複雑化する傾向にある。従来は予測できていなかった非対称CMEによる多方向からの高エネルギー粒子投射に対して、部品・素材の試験・認証基準がさらに厳格化される可能性が高い。深宇宙探査が本格化する時代、こうした宇宙天気の多面的で詳細な理解は、サプライチェーン全体における部品規格・検査方法の革新を促す重要な要因となっていくだろう。
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