LINK spacecraft gets close to NASA's Swift Observatory, but not close enough to save it
軌道低下が急速化したNASAのスウィフト望遠鏡を救うため打ち上げられたLINK衛星が、スラスタ制御の不具合によって当初の任務を断念することになった。2004年11月の打ち上げ以来、ガンマ線バーストや超新星といった高エネルギー現象の観測を20年以上継続してきたこの天文台は、太陽活動の増加による予期しない大気密度の上昇で軌道減速が加速し、2026年末までに大気圏で焼失することが避けられない状況に直面している。
LINK衛星の開発背景は、NASAが発見したスウィフトの急速な軌道低下に対応するための緊急プロジェクトだった。軌道低下の発見から打ち上げまで一年足らずという制約条件の中で、アリゾナ州のKatalyst Space社は衛星の設計・製造・試験をすべて完結させる必要があった。こうした厳しい時間制限から、このミッション自体が当初から「絶望的な手がかり」として認識されていた。LINK衛星はペガサスXLロケットで7月3日に軌道投入されたが、打ち上げから約三週間後にスラスタの制御不能に陥り、予定されていたスウィフトへのランデブーと軌道調整操作は実行不可能となった。
しかし任務失敗がすべてを終わらせたわけではない。Katalyst Space社はLINK衛星からいかなるデータでも獲得することが無駄にならないと判断し、代替実証へと方針を転換した。スウィフトまでの距離を12~15キロメートルまで接近させることに成功し、同衛星に搭載された三基すべての電気推進スラスタの正常動作を確認した。本来なら軌道調整に使用予定だった三本のロボットアームについても、完全な展開が可能であることが実証された。これらはすべて、将来の軌道上サービスミッションに向けた貴重な技術データになる。
スウィフト望遠鏡は、X線望遠鏡と紫外線・可視光望遠鏡という二つの主要な観測機器を所持している。軌道上サービス衛星の来航に備えるため、二月に機器を一度シャットダウンして大気抵抗を最小化していたが、八月に再度起動され、スウィフトの最後の活動期間における観測データを積み重ねている。軌道調整というミッション目標の喪失は確定的だが、限られた残り時間の中での選択肢の再構成は、いまなお価値を生み出し続けている。
軌道上サービス技術の進展という観点で見れば、予期しない展開にも意義がある。衛星の精密接近、ロボットによる捕捉、電気推進システムの制御といった要素技術の実証は、機能を失った衛星の修復や寿命延長を可能にするための基礎となると考えられる。Katalyst Space社とNASAが現在実施している追加的な技術実証は、限定的な残り時間の制約下でも次のミッションへ向けた知見を保存する取り組みだ。
日本の衛星部品・装置メーカーにとって、こうした軌道上サービス技術の進展は業界全体の方向性に関わる。電気推進システム、ロボティクス、遠隔操作技術といった要素は、将来的に衛星の修理・回収・再利用を実現するための核となり、その技術的な実装と検証の事例は業界知識として急速に価値を高めていく可能性がある。スウィフトの焼失は避けられないが、LINK衛星が遺した技術的資産は、他の衛星を救う手段へと形を変えていく道筋を示唆しているのだ。
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出典:Space.com


