UchUchU
Space Media #月

米Blue Origin、地上局ネットワーク「クォーツ」の世界展開を開始

イメージ

Blue Originが地上局ネットワーク「クォーツ」の世界展開を開始した。従来の地上局サービスの課題である分散した運用体制と使いづらい料金体系を改善し、統一されたインターフェースで全世界の地上局をシームレスに利用できるサービスを目指している。

従来、衛星事業者や宇宙機の運用者は複数の事業者の地上局を組み合わせて運用しなければならず、各事業者によって周波数帯や料金体系が異なることが課題となっていた。地上局の運用が分散することで、複雑な契約管理と効率の低下が避けられなかったのだ。クォーツはこうした状況を改善するため、Blue Originが1つの運用チームで世界中の地上局ネットワーク全体を統合管理する仕組みだ。これにより、衛星事業者は単一のプロバイダーと交渉し、統一された料金体系で利用できるようになる。現在バミューダ、ニュージーランド、オーストラリアの3カ所に設置済みで、年末までに計9カ所へ拡大する予定である。初期段階では直径3.7メートルのアンテナを配備し、S帯とX帯の周波数に対応。地球低軌道(LEO)衛星との通信に加え、電波による追跡や信号情報収集、宇宙状況把握(SDA)にも利用できるとしている。

今後、Blue Originはさらに能力を拡張していく計画だ。直径9メートルのより大型のアンテナを備えた地上局も整備し、L・S帯、X帯、Ka帯といったより広い周波数帯に対応させる。これにより、静止トランスファー軌道(GTO)や静止軌道(GEO)、月周辺のシスルナ領域に展開する宇宙機に対しても、データ通信やテレメトリ・追跡・コマンド(TT&C)サービスを提供できるようになると考えられる。つまり、低軌道から遠方の軌道まで、様々な任務に対応した統一的なサービスを実現しようとしている。サービス構築にはRBC Signalsと協力し、サイト調査やアンテナの調達・設置、運用拠点の確保を進めているとのことだ。

衛星コンステレーション事業の成長に伴い、地上局インフラをめぐる競争は今後さらに激しくなると予想される。複数の衛星企業や通信サービス事業者が、自社のコンステレーション運用に対応した地上局ネットワークの構築を進めているためだ。特に、衛星コンステレーションの規模が拡大するにつれて、地上局が提供できる通信可能時間の制約が事業成長のボトルネックになっていた。クォーツのような統合サービスが市場に広がることで、地上局運用の効率化と地上インフラの拡充が加速するだろう。

日本の部品・装置メーカーにとっても、この動きは無視できない。大型アンテナの製造や高周波対応の電子部品、通信機器の部品需要が増加する可能性がある。特にアンテナやアンテナ関連部品については、地上局の世界展開に伴い、複数の企業からの調達要求が増える可能性が高い。Blue Originのような大手衛星企業が統一されたグローバルネットワークを構築する動きは、部品サプライヤーにとって安定した大型案件獲得のチャンスとなり得るのだ。直径9メートルという大型アンテナの本格展開も見据えれば、アンテナ関連部品の需要は相当な規模になる可能性がある。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:Space Media

この分野の企業を探していますか?

UchUchUは宇宙産業に関わる日本企業をデータベース化しています。参入検討・取引先探索にお使いください。