スカパーJSAT、QPS研究所のSAR衛星運用を追加で5機受託 合計8機を保守運用
イメージ スカパーJSATが、QPS研究所の小型SAR(合成開口レーダー)衛星の保守運用契約を拡大し、新たに5機を受託することを発表した。これまで3機の運用を担当していたが、これで合計8機となり、国内における衛星運用事業の実績を大きく拡大することになる。約3年にわたる運用実績が評価され、受託の拡大に至ったという。
QPS研究所は2030年までに36機以上の小型SAR衛星コンステレーション構築を目指している。準リアルタイムデータを提供するサービスを展開するためには、数十機に及ぶ衛星群を安定的に運用する必要がある。このような大規模なコンステレーション運用では、24時間365日体制で複数の衛星を監視・管制する地上側の基盤が不可欠となる。スカパーJSATが国内に展開する地上局ネットワークと、そこから衛星に指令を送り、データを受信する体制が、コンステレーションの安定稼働を支える重要な役割を担うことになる。衛星が地球を周回する軌道上で絶えず運用されるため、地上の運用基盤は24時間対応を求められる。
スカパーJSATが長年にわたるQPS研究所衛星の運用実績を評価され、今回の受託拡大に至ったという事実は、現在の宇宙産業の構造を象徴している。衛星ビジネスにおいて、製造・打ち上げ以上に、その後の長期にわたる安定運用が収益と信用を左右する時代に入ったと考えられる。QPS研究所のようなデータサービス企業にとって、衛星が24時間稼働し続けることが事業の根幹であり、その信頼性が顧客獲得に直結する。スカパーJSATが高く評価されたのは、単なる技術力ではなく、長期的な運用実績と安定性であり、宇宙産業の成熟化を示唆している。
こうした動きは、日本の宇宙産業における役割分担の明確化を示唆している。衛星コンステレーション時代において、個別企業が衛星全数の設計・製造から打ち上げ、運用まで一貫して手がけることは困難になりつつある。QPS研究所のような衛星データ企業は専門の運用パートナーを必要とし、スカパーJSATのような運用専門企業が成長する余地が生まれている。これは地上局設備、通信機器、制御システム、ネットワーク機器など、運用インフラを支える部品・装置メーカーにとって、新たな受注機会を意味する可能性がある。
スカパーJSATが掲げる「マルチオービット戦略」は、低軌道から静止軌道まで、異なる軌道の衛星を統合的に運用する取り組みだ。複数のコンステレーションが増えれば、軌道ごとに異なる運用要件に対応する技術や設備の需要も拡大していく。日本の製造業にとっては、衛星運用企業の成長とそのインフラ投資がサプライチェーンの拡大機会となり得るという視点が重要である。
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出典:Space Media





