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Space Media #月

スペースデータ、キオクシア発スタートアップと次世代暗号技術の適用で協業 宇宙領域も視野

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キオクシア発の暗号技術スタートアップが、宇宙産業向けの防衛・安全保障基盤へ参入する。スペースデータとEmotionXが協業に関する覚書を締結したことは、機密データを暗号化したまま分析・共有できる「次世代暗号」が、防衛領域のデジタルツイン・シミュレーション基盤に統合されることを意味している。防衛関連企業や政府機関向けのセキュアな情報環境実現への大きな一歩であり、日本の宇宙産業のセキュリティインフラが大きく転換する可能性を示唆している。

EmotionXが開発する完全準同型暗号(FHE)は、データを復号(平文化)せずに暗号化したまま計算・分析できる秘密暗号計算の方式である。従来の暗号技術では、データを活用する際に必ず復号のステップが発生し、その過程で情報漏洩リスクが生じていた。情報を見る人間がどうしても存在し、その過程で外部への流出が起こりうるということだ。FHE技術はこの復号過程を経ないため、機密情報をより安全に活用できる。さらに量子コンピュータへの耐性も備えているという点が、長期的なセキュリティ面での優位性を示唆している。デジタル化とセキュリティ要件の高度化とともに、暗号技術の強度が産業競争力を左右する時代へ移っていることを示すものだ。

両社の協業領域は多岐にわたる。陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波といった全領域にわたる機密情報を、暗号化したまま横断的に利用するという防衛課題への適用も視野に入れられている。スペースデータが保有するフィジカルAIやデジタルツイン・シミュレーション基盤に、FHE技術を組み込むことで、従来は個別に管理されてきた防衛関連データが、セキュリティを損なわずに統合利用される環境の構築を目指すということである。また、情報セキュリティ・秘密保護体制の高度化に向けた秘密暗号計算の適用も検討されており、防衛分野の情報セキュリティが高度化する中、この種の基盤整備は政府機関や防衛関連企業にとって必須の投資となると考えられる。

宇宙産業にとっての意味は大きい。宇宙衛星データやシミュレーション結果は、防衛分野において機密性が極めて高い情報であり、複数の組織間でのデータ共有は従来困難とされてきた。各企業が個別にデータを保有・管理することで、情報の活用機会が限定されていた側面がある。FHE技術の導入により、機密性を保ったまま複数企業が情報を共有し、協働できる環境が実現する可能性がある。これにより、宇宙産業のサプライチェーン全体での情報連携が進み、より効率的で安全な開発・製造体制が構築されると考えられる。衛星の設計から製造、運用に至るまでの各段階で、より柔軟な情報活用が実現し、イノベーションの加速につながる可能性を秘めている。

日本の部品・装置・素材メーカーにとっても、この動きは無視できない。防衛関連企業との取引が増える過程で、セキュアなデータ共有の要求がより厳しくなることが予想される。FHE技術のような次世代暗号基盤が標準化されることで、サプライチェーン上の各企業がセキュリティ要件に対応しやすくなる可能性がある。同時に、機密データを安全に扱う企業としての認証・評価が、今後の競争力を左右する要因へと転換していく可能性も考慮する必要がある。先制的にセキュリティ対応を進める企業ほど、防衛関連市場への参入機会が拡大する構図が予想される。政府機関や防衛関連企業との信頼構築は、単なるコンプライアンス対応ではなく、戦略的な経営課題となりつつあるのだ。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:Space Media

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