NECスペーステクノロジーと日本旅行、STEAM教育・探究学習の推進で業務委託契約を締結
イメージ 2026年9月11日、日本旅行とNECスペーステクノロジーが業務委託契約を結び、宇宙産業を題材としたSTEAM教育プログラムを全国に広げることが発表された。日本旅行が2021年から運営してきた「ミライ塾」という教育プラットフォームと、NECスペーステクノロジーの宇宙開発・ものづくり技術が組み合わさることで、次世代人材育成の内容が格段に強化されることになる。
日本旅行の「ミライ塾」は、これまで全国60校・約20,000人の小中高生に宇宙教育を提供してきた。今回の提携により、そのプログラムに新たな要素が加わる。座学で衛星や電子機器の役割を学んだ後、施設見学で実物や映像・VRを通じて産業現場を体験し、さらにはんだ付けなどのものづくり工程に直接触れるという、より実践的で段階的な構成が実現する。これまでの教育活動の規模と実績を踏まえると、このプログラムが10月から全国規模で提供されることは、宇宙産業の認知度向上に相応の影響をもたらす可能性がある。
NECスペーステクノロジーは、日本初の人工衛星「おおすみ」の開発に携わって以来、宇宙開発技術と実装知見を蓄積してきた企業である。現在も人工衛星やロケットに搭載される電子機器の開発・製造を行っており、宇宙システムの上流から製造現場までの全体像を持つ立場にある。こうした企業が教育プログラムに直接関わることで、机上の知識に留まらず、実際の衛星やロケット機器の製造方法、試験のやり方、品質管理の考え方といった産業実務がプログラムに組み込まれることになると考えられる。
宇宙産業は、人工衛星の需要増加や低軌道衛星コンステレーション構想の進展に伴い、部品調達・製造の役割がますます重要になっている。次世代を担う人材が、学生時代から衛星やロケット製造の現場体験を重ね、ものづくりの実感を持つことは、産業全体のサプライチェーン人材確保という課題に対して構造的な対策になり得る。特に、はんだ付けなどの技能を必要とする加工・組立部門への適性発見やキャリア形成にも寄与する可能性がある。また、座学を通じて衛星システム全体への理解を深めることで、単なる技能者ではなく、産業全体の構造を理解した人材の育成にもつながると考えられる。
日本の部品・装置・素材サプライヤーにとって、こうした教育施策の拡大は、採用候補層の拡大につながるだけでなく、業界全体の技術理解度を高めるという間接的な効果も見込める。宇宙関連の国家戦略が加速する中で、次世代人材育成ネットワークが官民で広がることは、日本の宇宙産業基盤を支える人的資源の確保という長期的な競争力にも直結していくことになるだろう。
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出典:Space Media





