軌道上サービス市場、今後10年で約4,800億円の収益規模に 仏Novaspace
イメージ フランスのコンサルティング企業Novaspaceが軌道上サービス市場のレポートを発表した。衛星への燃料補給や寿命延長といった「軌道上サービス」が、今後10年間で30億ドル(約4,770億円)の収益を生み出す見込みだという。この市場規模は、宇宙産業全体の中で決して小さくない領域として注目されている。
軌道上サービスは、打ち上げられた衛星をその後どう運用・維持するかという新しいビジネス領域である。従来、衛星は一度打ち上げられたら設計寿命まで運用され、最後は廃棄されるか軌道上で放置されるのが一般的だった。しかし軌道上での修理やメンテナンスが可能になれば、衛星の運用期間を延長し、寿命を効率的に活用できるようになる。Novaspaceの分析によれば、この市場は複数のセグメントから構成されている。最大の収益源は衛星への燃料補給で、約12億ドル(約1,908億円)の機会が見込まれている。次いで衛星の寿命延長サービスが約8億6,000万ドル(約1,367億円)となっている。このほかにもデブリ除去やその他の軌道上作業といったサービスが存在するが、燃料補給と寿命延長がこの市場全体の大部分を占めると考えられる。軌道上での活動を支える様々なサービスが、これからの衛星運用において不可欠な要素として位置付けられるようになるということだ。
市場成長を牽引する要因として、政府機関や防衛機関の役割が極めて大きいとNovaspaceは指摘している。特に防衛機関では、衛星への燃料補給がミッションの柔軟性と運用上のレジリエンスを高める戦略的能力として認識されているという。つまり、衛星の燃料を補給すれば、任務の内容を柔軟に変更したり、予期しない事態への対応力を向上させたりできるということである。こうした戦略的な需要が技術開発を促進し、市場全体の成熟を加速させている。軌道上サービス産業は現在、初期導入段階から本格的な成長段階への移行期にあり、技術の成熟と商業化が同時に進みつつある。政府の継続的な投資がこの流れをさらに加速させると見られている。
日本の衛星部品メーカーや装置・素材サプライヤーにとって、この成長市場は無視できない存在になりつつある。軌道上での修理・補給・メンテナンス作業に必要な機器や部品、素材の需要が増えることが予想される。衛星そのものの需要だけでなく、その運用・維持に関わる周辺産業の拡大が起こると考えられるからだ。また、防衛機関の需要拡大により、これまで主に民間向けだった企業が、防衛関連事業への参入や取引拡大を検討する機会も生じるだろう。軌道上サービス市場の成長は、単なる衛星事業者向けの市場ではなく、部品・装置・素材を供給するサプライヤーにとっても新たなビジネス機会を意味する分野である。こうした市場変化を読み取り、早期に対応戦略を立てることが、競争力維持のために重要になると考えられる。
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出典:Space Media
