露ロスコスモス代表、ISS軌道離脱の責任分担についてNASAと協議中と明らかに
イメージ 国際宇宙ステーション(ISS)の2030年以降の軌道離脱について、ロシアの宇宙機関ロスコスモスとアメリカ航空宇宙局(NASA)が責任分担の協議を始めたことが明らかになった。ロスコスモスのドミトリー・バカノフ最高経営責任者が、2026年8月19日にロシア国営のタス通信に語ったもので、ISS内の複数の区画のうち、どの部分の撤収責任を各国が担うかといった具体的な内容について、両機関が現在協議を進めているという。バカノフ氏は、この協議にはまだ約1年半の時間的余裕があるとの見方を示している。
ISSの運用を2030年まで延長することでロシアとアメリカが先月合意したばかりであり、その傍らで既に終焉後の責任分担協議が始まっている。軌道離脱というのは、高度400キロメートル近い地球低軌道にある巨大構造物を安全に大気圏内に落下させる高度な技術的・運用的作業であり、どの国がどの区画の離脱を担当するかは、技術面だけでなく政治・外交面でも重要な決定となる。ISSは米国、ロシア、日本、カナダ、欧州宇宙機関の加盟国によって共同運用されてきたが、その終焉に向けた各国の役割分担は、今後の宇宙開発協力の枠組みにも影響を与える可能性がある。
同時に注目すべきは、ISS終焉後の地球低軌道での有人活動について、ロシアとアメリカが明らかに異なる道を歩もうとしていることである。ロシアは独自の「ロシア軌道ステーション(ROS)」の建設計画を推し進めており、国家主導による次世代ステーション構想を展開している。一方、アメリカはNASAのCLDプログラムを通じて民間企業による宇宙ステーション開発を推進する方針であり、国家機関と民間セクターの役割分担による軌道上インフラの構築を目指している。かつての冷戦時代の宇宙競争と異なり、また数十年続いた国際協力とも異なる、新しい局面が始まろうとしていると言える。
この構造変化は、宇宙産業全体のサプライチェーンに直接的な影響を及ぼすことになると考えられる。ISS終了までの残された数年間、両国は依然として協力の枠組みの中で運用を継続する。しかし同時に、ロシアのROS計画とアメリカの民間ステーション計画という二つの構想は、それぞれ異なる技術仕様、異なる要件に基づいた部品・装置・素材の需要を生み出すことになる。従来のISS運用に供給されていた各種システムや部品に対する需要は、新ステーション時代に同じ仕様で継続されるとは限らない。むしろ、新しいステーション設計に応じた新規需要と、従来需要の消滅という二つの流れが並行して進むと予想される。
日本の製造業、特に宇宙向けの部品・装置・素材を手がけるサプライヤーにとって、この転換期は重大な岐路となる。ISS関連で培ってきた技術や実績が、次世代ステーションのどの領域に適用される可能性があるのか、あるいは新たな仕様要件への対応が求められるのか、それらを見極め先制的に対応する必要がある。軌道上有人活動の新しい構図が確定するまでの今後1年半から数年の期間が、日本企業が次代のグローバルサプライチェーンに組み込まれるか否かを左右する極めて重要なウィンドウになると考えられる。
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出典:Space Media



