H3ロケット9号機、みちびき7号機の打上げに成功 準天頂衛星は6機体制に
イメージ H3ロケット9号機によるみちびき7号機の打上げ成功は、日本の測位システムの整備が確実に前に進んだ出来事だ。昨年末のH3ロケット8号機打上げ失敗による落ち込みから立ち直り、運用中の準天頂衛星が5機から6機体制へと拡張された。同時に、高精度測位システムの実証運用が本格化する段階を迎えることになり、このロケット打上げの成功は、日本の宇宙産業全体における信頼性回復を示す重要な節目となっている。
みちびきはアメリカのGPSと同じく衛星からの電波で位置情報を計算するシステムだが、独自の強みは測位精度にある。GPS単体では5~10メートル程度の誤差が生じるのに対し、みちびきはこの誤差を補正する信号も配信し、センチメートル単位の精度を実現する。この高精度測位の活用分野は急速に拡大しており、自動運転やスマート農業、災害時の情報配信など、社会のインフラとして機能する場面が増えている。こうした応用は実際には、建設機械や農機の自動化、その制御システムを支える電子部品や通信機器など、多くの製造業にとって事業基盤となっていく技術である。部品サプライヤーにとっても、測位精度が求められるシステムの構成要素を供給する可能性は高まり続けている。
みちびき7号機は準静止軌道に配置され、日本の東側に位置して運用に加わる。6号機と同様に、「衛星/地上間測距(PRECT)システム」に対応しており、複数の衛星を組み合わせた高精度測位システム(ASNAV)の実証に使用される見込みだ。さらに、アメリカが運用する宇宙状況把握(SSA)センサーも搭載されており、増え続けるスペースデブリなどの監視に貢献する役割も担っている。この衛星監視機能は、衛星の長期運用と宇宙環境の持続性確保の両面で重要な意義を持つとともに、国際的に課題となるスペースデブリ対策に日本が主体的に関わっていることを示すものである。
ただし、計画の実現には課題も残されている。みちびきシステムは当初、7機体制で他国の測位システムに頼らず独立した測位を実現する構想だった。しかし昨年12月のH3ロケット8号機の打上げ失敗により、5号機を喪失してしまい、この計画に遅延が生じた。7号機投入によって6機体制となる現在、測位の完全独立化は2031年度に予定される8号機の打上げまで持ち越されることになった。つまり、向こう数年は他国のシステムとの相互補完の状況が続くことになり、この目標達成までには、複数の打上げミッションの成功と衛星の安定運用が不可欠である。
こうした状況下でのH3-9号機の打上げ成功は、昨年の失敗から立ち直るための実績として重要な意味を持つ。失敗時の原因分析をもとに対策を施された機体による成功は、今後の定期的な衛星配置と打上げミッションの確実な実施に向けて必要な信頼性の蓄積を示すものだ。日本の宇宙産業全体が次の段階に進むために、ロケットとシステムの確実性を高めるこの取り組みは、部品製造から衛星組立、地上局の構築に関わる多くのサプライヤーにとって、継続的な事業機会と、それに伴う品質・信頼性要求の強化につながっていくと考えられる。
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出典:Space Media





