ElevationSpace、三菱重工とライドシェア打上げ契約締結 2027年にH3ロケットで
イメージ スペースベンチャーのElevationSpaceが、三菱重工業とのライドシェア打上げ契約を締結した。2027年にH3ロケットで自社の宇宙環境利用・回収プラットフォーム「ELS-R」の2号機を打ち上げる予定である。
背景としては、ElevationSpaceはELS-R初号機「あおば」をドイツのスタートアップ・Isar Aerospaceの「スペクトラム」で打ち上げることを計画していた。今回のH3での打上げは、それに続く次のミッション機会の確保という位置づけになる。同社の説明によれば、H3ロケットのライドシェアミッションの打上げタイミングと軌道条件が、ELS-Rの開発・実証スケジュールと合致したため、今回の契約締結に至ったという。この日、衛星企業のQPS研究所も三菱重工と小型SAR衛星3機をH3ロケットで打ち上げる契約を発表しており、複数のベンチャー企業がH3のライドシェア枠を確保していることが明らかになった。この連続した契約発表は、H3のライドシェア事業が実装段階へ移行していることを示す重要な指標となっている。
H3ロケットは国内の商用打上げサービスの中核を担う存在として期待されており、スペースベンチャーが確実にH3のライドシェアを利用できるようになることは、国内のロケット利用生態系が次の段階へ進展していることを示している。ELS-Rは宇宙環境を利用したサンプルやデータの回収・再利用を目的としたプラットフォームであり、一度打上げされれば複数回の運用が可能になると考えられる。初号機をドイツのロケットで、2号機を国内ロケットで打ち上げるというElevationSpaceの戦略は、複数の打上げサービスを使い分けることでビジネスリスクを分散させようとする考え方が、スペースベンチャー側に浸透していることを示している。
日本の部品・装置サプライヤーにとって、今回の動きは複数の形での新規需要の創出を意味している。ひとつは、ELS-Rのような回収・再利用可能な宇宙プラットフォームの開発・製造に関連する部品・素材の需要である。耐熱素材、精密な制御機器、通信装置など、厳しい宇宙環境での使用に耐える高機能部品の市場が拡大する可能性がある。もうひとつは、H3ロケットのライドシェア事業の拡大に伴う、搭載機器や地上支援設備の需要増である。スペースベンチャーの事業化が加速し、複数の案件がH3で打ち上げられるようになれば、それだけ関連する部品・装置の供給量も増加することが予想される。国産ロケットの商用化が進む中で、サプライチェーン全体における国内企業の役割がますます重要性を帯びていく局面であると考えられる。
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出典:Space Media




