デブリ化防止装置開発のBULL、文科省SBIRフェーズ3事業で2.6億円の追加配分決定
イメージ 栃木に本社を置く衛星離脱技術企業のBULLが、文部科学省からスペースデブリ低減技術開発の補助金として2.6億円の追加配分を受けることが決定した。同社が開発する衛星やロケット上段を自律的に軌道から降ろす装置「HORN」の追加実証試験と量産化を加速させるための資金である。
宇宙空間に漂うデブリ、すなわち役割を終えた衛星やロケット本体の破片は、現在および将来の衛星運用に対する重大な脅威と位置付けられている。軌道上の密度が高まるほど衝突のリスクが増し、さらに衝突で生じた破片が新たなデブリとなるという連鎖反応が懸念されている。BULL社のHORNは、ミッション終了時に装置を搭載する衛星やロケット本体が自動的に軌道を離脱し、大気圏への再突入で消滅することを可能にする技術だ。同社は既に本年6月に軌道上での実証に成功しており、この技術が実際の宇宙環境で機能することが証明されている。文科省が中小企業向けイノベーション創出推進事業(SBIR)フェーズ3で追加配分を決定したことは、この技術が実用化に向けて十分な見込みを持つと政府が判断したことを意味している。
デブリ問題は単なる一企業の技術課題にとどまらない。今後の宇宙産業全体の持続可能性に直結する課題である。通信衛星・観測衛星など多くの衛星が打ち上げられ、さらに今後も増加が見込まれる時代にあって、使い終わった機器を確実に軌道から除去する能力は、宇宙産業全体の事業継続性そのものを左右する。こうした認識から、国際的にも軌道上デブリの低減・除去技術開発が急速に進められており、BULL社の取り組みは日本がこの重要な領域で国際的なプレイヤーの一つであることを示すものである。
部品・装置・素材の製造に携わる企業の観点では、このような軌道離脱装置の量産化が進むことで新たな部品需要が生まれる可能性がある。推進系部品・制御システム・構造材料など、衛星本体と異なる耐久性要求や機能仕様を持つデバイスが必要とされるようになると考えられる。既存の宇宙部品サプライヤーだけでなく、新規参入企業にとっても機会が拡がる領域として注目される。国内での量産・内製化が進めば、これらの部品需要が日本国内のサプライチェーンに直結する。
今回の2.6億円の追加配分は、軌道離脱装置の実用化が加速することを意味する。デブリ低減技術が衛星産業の必須要件として国際的に認識される中で、そのための部品・装置・素材への需要が確実に高まっていく。国家レベルでこの技術開発を支援する姿勢は、それがサプライチェーン全体に波及する成長領域と見なされていることを示すものである。
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出典:Space Media



