スペースX、スターシップの画期的な瞬間を最高の成功に
イメージ SpaceXのStarship Flight 14が現地時間9月28日、初めて軌道到達に成功した。搭載していた26個のStarlink V3衛星を全てデプロイし、数週間以内に運用を開始する見込みである。
上昇時にShip 41の6基のラプターエンジンのうち1基が予定より早く停止したため、スペースXの管制室では一度は軌道投入を取り止める方針を決めた。しかし、協議の結果、予備システムの十分な状態が確認され、最終的に軌道投入を実行することが決定された。この判断は自動的な決定ではなく、管制チームの人的判断に委ねられていた。実はスペースXは事前に、エンジン喪失時でも軌道投入を続行できるだけのバックアップシステムが残っていることを確認した場合のみ軌道投入を行うというルールを設定していたため、今回の早期エンジン停止はこのルール制定の想定通りの事態だった。スペースXのイーロン・マスク会長兼CEO率いる経営陣の意思決定の背景には、上場企業への転換がある。同社は2024年7月に上場し、その直後のFlight 13遅延時には株価がIPO価格以下に低下し、空売り筋が増加していた。衛星という収益源を積んでの損失は株主へのダイレクトな打撃となるため、管制室の判断基準は単なる安全性だけでなく経営上のプレッシャーも反映していたと考えられる。
今回のミッションの本質的な価値は搭載されていたStarlink V3衛星にある。各V3衛星は下行で約1テラビット毎秒、上行で160ギガビット毎秒という通信容量を持つ。今回の26基のデプロイにより、スペースXの衛星インターネット事業は単一の打ち上げで約26テラビット毎秒の容量を一気に追加できるようになった。これはファルコン9で搭載されるStarlink V2 Miniの約10倍に相当する。V3は物理的にファルコン9には搭載できないため、Starship による100,000基の衛星コンスプレーション構想はStarshipという専用のプラットフォームなしには実現不可能である。スペースXはStarshipが定常運用段階に達すれば、1回のフライトで最大60基のV3を搭載できると想定している。前のFlight 13ではV3 20基が搭載されたが、副次的な飛行計画により地球大気に再突入してしまった。今回のFlight 14のV3は軌道を上昇させるため、数週間以内に実際の顧客向け運用を開始し、スペースXのStarlink収益に数億ドル規模の追加収入をもたらすと見られている。
スペースXはすでにフロリダからのファルコン9によるStarlink打ち上げの削減を始めており、Starshipへの移行を加速させている。次のFlight 15は10月19日を目標に設定されており、今回のエンジン停止原因の究明と対策には約3週間の時間が割き当てられることになる。このように打ち上げペースが高速化していくことで、衛星製造だけでなく、搭載機器やコンポーネント、さらには衛星の軌道制御に必要な燃料やスラスタなど、関連する部品・素材の需要増が急速に広がっていく可能性がある。日本の製造業やサプライヤーにとって、Starship による大量衛星展開の本格化は、従来のファルコン9ペースでは想定していなかった部品納期や生産体制の再編を迫られる転換点となりうる。
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