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宇宙で「レーザー送電」する時代へ。試験衛星がスペースXのロケットで打ち上げ

宇宙でのレーザー送電実験が、スペースXのロケットで打ち上げられた試験衛星により本格的に始まった。米国企業Star Catcherの衛星「Protostar」は10月1日にTransporter-18ミッションで軌道に乗り、太陽光をレーザーに変換して他の衛星に電力を送る、これまでにない試験を開始する。

この技術の背景には、宇宙産業の急速な拡大がある。GoogleやスペースXが宇宙データセンター構想を進める中で、課題となるのが電力供給だ。衛星やスペースステーションで大量の電力が必要となるが、従来は各機体がバッテリーや独立した太陽光パネルに頼っていた。Star Catcherが提案する「パワーノード」システムは、地上の送電線に相当する機能を宇宙に築くものである。複数のレンズで太陽光を集め、その光をレーザー光線に変換し、別の衛星の太陽光パネルに照射する。効率は従来の方式比で最大10倍の電力生成を実現でき、衛星本体をより小型化して他の機能(GPUやセンサなど)に重量を振り向けることが可能になる。

宇宙でのレーザー送電は理論的には数十年前から構想されているが、実現が現実味を帯びたのはロケット打ち上げコストの低下による。Star Catcherは既に追尾技術を宇宙で実証済みで、地上でも米国防高等研究計画局(DARPA)の記録を上回る1kW超の送電実験に成功している。今回の実証実験では、同時に打ち上げられた小型人工衛星に対して、離れた状態でどれだけのエネルギーが伝達できるかを検証する。技術的課題として、現時点では伝送効率が11%程度にとどまることや、極低温・真空環境での長期稼働、追尾精度の維持が挙げられるが、同社は2020年代終わりまでに商用電力供給サービスの実現を目指している。既に40件の顧客からの意向表明と10件の電力購入契約(PPA)を確保しており、2026年前半には6500万ドル、米宇宙軍からは3000万ドルの資金獲得も実現させている。

このシステムが実現する意味は、宇宙活動の経済性向上にある。衛星やデータセンターの軽量化は打ち上げコストを削減し、搭載機器の追加スペースを生み出す。受信側は小型の装置で済むため、レーザー送電はマイクロ波方式より利点があると考えられる。日本の製造業、特に精密部品や光学部品、追尾制御システム、放熱材料などのサプライヤーにとって、この技術は確実に需要を生む。レーザー送受信機の高精度化、真空環境対応の部品、追尾センサ、耐熱材料など、多くの領域で技術提案の機会が生まれる可能性がある。宇宙データセンターが実現すれば、衛星コンステレーション時代の電力インフラとなり、日本メーカーのサプライチェーン参入も現実的になっていくだろう。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:WIRED.jp

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