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大気圏突入が近づくNASAのスウィフト宇宙望遠鏡、最後のミッションに挑む

2004年の打ち上げから約21年にわたり宇宙観測の最前線で活躍してきたNASAのニール・ゲーレルス・スウィフト衛星が、軌道引き上げミッションの失敗により、2026年内に地球の大気圏に再突入することがほぼ確定した。宇宙スタートアップのKatalyst Spaceが開発した救出衛星「LINK」による捕獲と軌道修正が困難と判断されたのだ。

スウィフトは、宇宙で最も激しいガンマ線バーストを含む複数の天体現象を観測する目的で設計された。可視光、紫外線、X線、ガンマ線という異なる波長を同時に観測できる3つの望遠鏡を搭載し、突発的な現象の検出と他の観測施設への高速アラート機能により、NASA宇宙研究全体の重要なツールとして機能してきた。しかし、低軌道衛星に搭載されていない高度維持用の推進システムという根本的な制限と、近年の太陽活動の活発化に伴う地球大気の膨張が、スウィフトの寿命を加速させていた。

このため2025年9月、NASAはKatalyst Spaceとの契約に基づき、軌道上での衛星サービシング(修理・整備技術)を実証する「Swift Boost Mission」を計画した。開発された救出衛星LINKは、スウィフトの3分の1という小型設計で、ロボットアーム3本とイオン推進器3基を搭載していた。契約から9カ月後の2026年7月に打ち上げられたが、軌道上での姿勢制御に不具合が発生。8月19日、NASAとKatalyst Spaceは当初のミッション継続を断念することを発表した。その後LINKは軌道制御に成功し、スウィフトから12〜15kmまで接近したものの、これ以上の接近は行わない方針に転じている。

スウィフト救出ミッションの失敗は、軌道上での衛星サービシング技術がいかに難しいかを実証している。Katalyst Spaceが指摘していた通り、宇宙にインフラの永続的な拠点を築くには、打ち上げ後の位置調整、修理、燃料補給、改修に対応できるロボット宇宙船が不可欠である。今回の試みが失敗したとしても、軌道上で衛星を整備する技術開発は今後の宇宙利用に向けた確実な前進であり、その過程で蓄積される知見は次の試みに活かされると考えられる。

スウィフトの運用チームは軌道引き上げ断念後、残された時間を最大限に活用する戦略に転じた。2月と4月に電力消費を最小化するため停止していた紫外線・可視光望遠鏡とX線望遠鏡が、8月26日に再起動に成功し、X線望遠鏡は遠方の超新星残骸観測に成功している。高度300km以下では観測継続が困難になるとみられ、チームは残り1〜2カ月と見積もっているが、その限界点に達するまで、復帰したバーストアラート望遠鏡を含め、可能な限りの科学観測を継続する予定だ。日本の衛星部品メーカーや宇宙関連企業にとっても、衛星サービシング技術の発展は今後の市場機会につながる可能性を持つ。軌道上での整備が前提となる宇宙システムが広がれば、高精度なロボットアーム、推進器制御システム、通信・制御電子機器といった部品群の需要が増加する可能性がある。

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出典:WIRED.jp

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