ライブ配信あり。NASAの新型宇宙望遠鏡打ち上げは日本時間30日の夜に
NASAのナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡が日本時間30日午後8時26分、SpaceXのファルコン・ヘビーロケットでフロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げられる。開発費が40億ドルを超える大型プロジェクトであり、ハッブル宇宙望遠鏡の少なくとも100倍の視野を備えた高性能赤外線望遠鏡だ。宇宙最大の謎であるダークマターとダークエネルギーの解明、および太陽系外惑星の探査を担うミッション。
ローマン宇宙望遠鏡は打ち上げ後、地球から約150万km離れた太陽・地球系第2ラグランジュ点に配置される。この場所は太陽と地球の重力が釣り合う地点であり、宇宙望遠鏡が比較的安定した状態を保ちながら、遮られることなく宇宙を観測できる利点がある。望遠鏡には広視野観測装置(WFI)と赤外線コロナグラフ装置という2つの主要な観測装置が搭載されており、3億画素のWFIは非常に広い範囲を高精細に撮影できるとともに、光を波長ごとに分けて天体の性質を調べる分光観測にも対応している。赤外線領域での広範囲かつ高精細な観測が実現するのだ。
ローマン宇宙望遠鏡の主なミッションは3つある。第1は、ダークマターの分布を明らかにすることだ。銀河や銀河団に存在する物質の大部分を占めると考えられているダークマターそのものは見えない。しかし大きな質量を持つため、その重力による光の歪みを調べることで間接的に存在を確認できる。ローマンは数百万の遠方銀河を観測し、「弱い重力レンズ」と呼ばれる現象を調べることで、宇宙全体のダークマター分布図を描き出す可能性がある。第2のミッションは、宇宙が膨張する速度がどのように加速しているかを測定することだ。遠方銀河で発生する超新星を監視することで、宇宙がどのくらいの速さで膨張しているかが調べられる。その原因とされるダークエネルギーについての手がかりを得られると期待されている。第3は太陽系外惑星の探査である。ローマンは1億個の星を数百日かけて監視でき、マイクロレンズと呼ばれる現象を利用することで約2500個の太陽系外惑星が見つかると予想されている。火星より小さい惑星から、冥王星より遠い距離を回る惑星まで、幅広い範囲の惑星を検出できる可能性がある。
このローマン宇宙望遠鏡の打ち上げは、大型宇宙機器の継続的な開発と運用が、宇宙科学の進展にとって不可欠であることを示す。ハッブルやジェイムズ・ウェッブに続く次世代の宇宙望遠鏡であり、その開発には高度な精密製造技術が必要とされた。望遠鏡の構造体から赤外線検出器、制御システムに至るまで、多くの精密部品と装置が統合されている。こうした大型プロジェクトは、単一企業だけでなく、複数の国と企業によるサプライチェーンに支えられるものである。
日本の製造業、特に精密部品メーカーや赤外線センサー、光学部品の製造企業にとって、このような大型宇宙機器の国際開発は重要な機会と考えられる。過去のハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブでも、日本企業は部品供給に携わった実績がある。ローマン宇宙望遠鏡のような大規模プロジェクトは、宇宙産業の継続的な成長を示す指標となり、部品・装置・素材サプライヤーにとって今後の技術開発と品質向上へのインセンティブになる。特に赤外線観測という特性から、高度なセンサーや検出器といった部品が必要とされており、日本の得意とする精密製造領域での競争力維持がより重要になってくるだろう。
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出典:ギズモード・ジャパン




