史上最大級の2次元宇宙地図、新たな重力レンズの発見に貢献
天文学の研究チームが、DESIレガシー撮像サーベイのデータとAIを使い、新たに70個の重力レンズを確認した。重力レンズは、銀河や銀河団、ブラックホールといった大質量の天体が手前に位置することで、その重力が背景天体の光を曲げて拡大・変形させる現象である。いわば宇宙に存在する天然の虫眼鏡であり、今回の成果は、確認済みの重力レンズの大規模な集合をさらに広げるものだ。
背景には、2026年8月に公開されたDESIレガシー撮像サーベイの地図がある。約13年かけて作られたこの地図は5.6兆画素からなり、星や銀河、ブラックホール、小惑星など約40億個の天体を含む。データはDECaLS、MzLS、BASSという三つの地上サーベイを組み合わせたものだ。研究チームはまず、残差ニューラルネットワークという機械学習の手法で、重力レンズ特有のパターンを膨大なデータから探した。その結果、AIによる探索では76個の候補が見つかった。以前の研究でも約3500個の候補を含むカタログが作られており、人の目で探すには現実的でない規模だった。候補の確定には、欧州南天天文台のVLTに搭載されたMUSEという分光装置が使われ、距離の測定によって70個が実際の重力レンズとして認められた。
この成果の意味は、重力レンズが宇宙の見えにくい天体を調べる道具として使えるという点にある。遠方の初期宇宙の銀河を拡大して観測できるほか、目に見えない暗黒物質の分布を明らかにし、宇宙膨張の速度を測る精度を高め、系外惑星の検出にも役立つとされる。研究の観点では、従来は偶然見つかることが多かった対象を、大規模データと機械学習で系統的に探せるようになったことが重要である。研究者の一人も、数年前までは偶発的にしか見つからなかった系を体系的に探せるようになったと述べている。さらに、探索に計算資源が使われた点は、天文学が望遠鏡と並んで計算基盤に強く依存する方向に進んでいることを示す。
製造業の視点で見ると、この記事が直接扱うのは天文学の研究成果であり、宇宙機の製造や打ち上げの話ではない。ただ、サーベイに使われた570メガピクセルのカメラや、多数の点で同時に分光データを取得するMUSEのような装置は、大型光学部品、撮像素子、精密な機械構造、冷却や制御の技術の集合体だと考えられる。こうした観測装置や、データ処理を支える計算機器・電源・冷却設備への需要が続くなら、日本の光学部品、精密加工、電子部品のサプライヤーにとって、研究機関向けの特注品や設備周辺の部品供給で関わる余地があると考えられる。ただし、記事の範囲では具体的な発注や調達の動きは確認できない。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります





