ESCAPE計画が系外惑星の大気進化を調査
NASA が新たに提案する ESCAPE ミッションは、系外惑星がその大気をどのように失い、どうすれば保ち続けられるのかを観測・研究する衛星ミッションの構想である。このミッションが注目する根本的な問題は、系外惑星の居住可能性を決める要因は、単にハビタブルゾーン内の距離にあるかどうかではなく、恒星からの極紫外線(EUV)やコロナ質量放出(CME)による大気喪失のリスクが、その惑星が長期的に大気を保つことができるかどうかを左右する点にあるということである。近年の研究から、こうした恒星からの高エネルギー放射が、惑星の大気進化と居住可能性に決定的な影響を与えることが明らかになってきている。
特に赤色矮星周辺の惑星はこの問題に直面している。赤色矮星は比較的暗い恒星であるため、その惑星系のハビタブルゾーンは星に非常に近い位置にあり、その結果、惑星は星の極端な放射とフレア現象に常に曝される。研究によれば、EUV 光電蒸発により、数百万年という地質学的に短期間に、地球サイズの大気が数十から数百個分もの規模で、惑星から剥ぎ取られる可能性があるとされている。この現象は赤色矮星だけに限定されず、他の恒星タイプにおいても生じうる。しかし現在のところ、EUV やコロナ質量放出がどの程度の強度で、どのような時間スケールで惑星の大気に影響を与えるのか、またそれが異なる恒星タイプの周辺惑星の居住可能性をどう決定するのかについて、十分な理解が得られていない。
ESCAPE ミッションの狙いは、この知識のギャップを埋めることにある。ミッションは、複数の恒星タイプ(F 型、G 型、K 型、M 型)の合計 276 個の恒星について短時間観測を行う SEEN(Stellar EUV Environments)調査と、24 個の恒星について 278 時間にわたる長期間モニタリングを行う DEEP(Dedicated EUV Eruption Program)調査の二つの観測プログラムを、2 年間のミッション期間内で実行する予定である。これまで、異なる研究グループが同じ条件でも大気喪失率の予測が 10 倍以上も異なる結果を得ていたが、ESCAPE が実際の EUV 放射と恒星進化のデータを直接測定することで、こうした矛盾を解決し、異なる恒星タイプの周辺でどの程度の割合の温帯岩石惑星が長期的に居住可能な大気を保つことができるのかを、より正確に理解できるようになると考えられる。
これらの知見は、将来の宇宙探査や系外惑星探査の戦略を大きく左右する可能性がある。ESCAPE は前任者である EUVE(25 年前に終了)より 50 倍以上の感度を持つ観測装置であり、その実現には、極紫外線領域での高感度検出器や分光器などの高性能な光学・電子機器が必要とされる。日本の精密部品メーカーや光学素材メーカー、電子機器メーカーも、こうした次世代観測機器の要素部品や材料の供給者として、この分野の発展に関わる可能性がある。また、ESCAPE により得られたデータは、彗星観測やプロトプラネタリーディスク観測にも活用される見通しであり、天文学の複数の分野における高度な観測活動の拡大に貢献することが期待されている。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります




