英国の著名なラベル電波望遠鏡、予算削減で将来が危ぶまれる
イギリス政府の資金提供機関である英国研究・イノベーション機構(UKRI)が、同国の誇る大型ラジオ望遠鏡「ラベル望遠鏡」への公的資金を2028年3月で打ち切ることを発表した。マンチェスター近郊のジョドレル・バンク天文台に所在するこの施設は、ユネスコ世界遺産に指定された70年近い歴史を持つ装置であり、全国7台のラジオ望遠鏡を統合した「e-Merlin」ネットワークの中核を担っている。
ラベル望遠鏡は直径76メートルのパラボラアンテナを備え、1957年の完成当初からラジオ天文学の中心的な役割を担ってきた。ソビエト連邦による人類初の人工衛星スプートニク1号の追跡観測、1966年の月面からの画像受信、遠方銀河やブラックホール、パルサー、重力レンズの発見と研究など、宇宙科学の歴史的な成果の多くはこの望遠鏡の観測能力によって実現した。同施設は冷戦期には米国の対ソ連ミサイル早期警戒システムとしても機能し、宇宙探査と国防の両分野で重要な役割を果たしてきた。
UKRIは資金打ち切りの理由を「長期的な科学的能力、影響力、および国の価値が最大となる領域への投資の重点化」と説明した。しかし、これに対してイギリスの物理学界から強い反発が起きている。マンチェスター大学の粒子物理学者ブライアン・コックスは、この決定を「壊滅的で取り返しのつかない」と呼び、物理学研究所のポール・ハワース会長も「イギリスの物理学と科学研究国家としての名声に対する致命的な打撃」と述べている。施設の運営母体であるマンチェスター大学は、民間企業や政府、慈善団体からの代替資金の確保に向けて動いているが、見通しが立たなければ2028年3月で観測機能を完全に失う可能性がある。
基礎科学インフラの維持という課題は、日本の製造業にとっても無視できない問題だ。ラベル望遠鏡のような大型観測施設は、それ自体が精密機械加工や高度な電子機器の供給対象であるとともに、新しい計測・制御技術の開発の場となっている。また、こうした研究施設が継続して稼働することで、宇宙探査や天文学の発展が促進され、それがやがて衛星部品やセンサー、通信機器などの宇宙関連産業全体の需要につながる可能性がある。イギリスの決定は、先進国における研究施設の資金危機という背景を示すものであり、日本国内の宇宙・科学関連インフラが長期的にどう維持されるべきか、戦略的に考え直す必要があることを示唆している。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります




