NASA、LISA計画向けの新型全ガラス製試験望遠鏡の開発を前進
NASA(米航空宇宙局)が、重力波を観測する宇宙計画LISA(レーザー干渉計宇宙アンテナ)向けに、全ガラス製望遠鏡の開発を次の段階へ進めた。製作・組立・統合は米L3ハリス・テクノロジーズが担い、今回の「工学試験ユニット」は飛行品の製造に向けた最後の一歩と位置づけられている。LISAは欧州宇宙機関(ESA)が主導し、2030年代半ばの打ち上げを予定する。NASAは望遠鏡のほか、重要なハードウェアや工学・科学面の支援で協力する。
LISAは3機の衛星を地球を追う軌道に投入し、各辺が250万キロメートルに及ぶ三角形の編隊を組む計画だ。各衛星には2基の望遠鏡が載り、隣接する衛星との間で赤外線レーザーを送受信して、通過する重力波による距離のごくわずかな変化を測る。重力波はアインシュタインが1916年に示した一般相対性理論で予測され、2015年に地上の観測施設で初めて検出された。ただ地上施設では捉えられない低周波の重力波があり、LISAはその領域を観測できると期待されている。望遠鏡は、幅広い温度範囲で形状が変わりにくいため高精度用途に広く使われる、琥珀色のガラスセラミックス複合材ゼロデュアで全体を作る。
開発の経緯を見ると、L3ハリスは2024年に工学開発用の試作機をNASAに納入し、その試験結果を今回の試験機に反映させた。今年6月には金属製の構造モデルも納入済みである。NASAゴダード宇宙飛行センターの望遠鏡計画責任者は、今回が最後の飛行前ユニットであり、ESAへ納入する初の光学望遠鏡になると述べている。宇宙用の大型光学機器が構造モデル、試作、試験機と段階を踏み、各段階で素材と形状の安定性を確かめながら絞り込まれていく様子がうかがえる。衛星内には金白金製の立方体(プルーフマス)が重力だけを受けて自由落下するよう置かれ、ESAのLISAパスファインダーは2016年に、その周囲の非重力の力を観測に必要な水準まで減らせることを示している。NASAはレーザーシステム、プルーフマスの電荷を抑える装置、重力波源の解析も担う。宇宙空間で長期にわたり形状を保つことが求められるため、素材選定と組立後の形状管理が開発の中心になると考えられる。
日本の製造業にとって、この案件の核心は望遠鏡本体の素材と精度にある。低膨張のガラス系材料の加工、大型光学部品の研削や研磨、温度環境下での形状測定、組立後の位置管理などは、精密加工や光学部品を手がける国内サプライヤーが関われる技術領域だと考えられる。ただし本記事はNASAとL3ハリスの開発段階を伝えるもので、調達先や部品の発注計画は示していない。日本企業の参入機会は記事だけでは判断できない。レーザー系や電荷管理装置、評価用の治具なども計画の一部であり、精密機器メーカーが関心を持つ余地はあると考えられる。
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出典:Phys.org / 自動翻訳のため訳文が不正確な場合があります



