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地球の微生物の一部は月の南極域で一定期間生存可能? 有人月面探査で持ち込まれる可能性

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地球の微生物が月の南極域の極めて限定的な環境では、短期間ながら生存できる可能性が明らかになった。NASAゴダード宇宙飛行センターの研究チームがシミュレーションの結果、アルテミス計画の着陸候補地を含む月の特定の領域で、5種類の地球由来の微生物が少なくとも数日から1週間以上の生存条件を満たすことを示した。これまでの研究が見落としていたのは、月の両極に存在する「永久影」という環境である。

月は自転軸の傾きが小さいため、両極付近では太陽が地平線の近くをかすめるように動き、深いクレーターの内部には太陽光が届かない永久影が生じる。この環境では、月面の他の地域で問題となる強い紫外線や高温にさらされることがない。研究チームは月の高解像度マップを作成し、永久影の領域を正確に把握した上で、人間の皮膚に付着しやすい枯草菌や黄色ブドウ球菌、国際宇宙ステーション内で検出されたアスペルギルスやフザリウム、放射線耐性が高いデイノコッカスといった5種類の微生物について、月面での生存条件をモデル化して調査した。その結果、これら全ての微生物が1週間以上生存できる領域が、アルテミス計画の着陸候補地3地点に存在することが判明したのである。

特に紫外線耐性が高いアスペルギルスについては、永久影の外側でも特定の季節・条件下では生存条件を満たす可能性があることが明らかになった。有人探査に伴って宇宙服や居住施設から微生物が漏れ出すのは避けがたい問題であり、人間と共生する無数の微生物が月面に持ち込まれるリスクは現実的である。これまでの研究では月の赤道付近を想定していたため、こうした微生物の生存可能性を過小評価してきたと考えられる。

この知見の意味は、単なる月の環境理解にとどまらない。研究チームが指摘するように、有人月面探査が本格化する前に、人間が持ち込む微生物に関する基準データを確立することが重要である。そのデータは、より遠い将来の有人火星探査に向けた生命探査や汚染管理の指針となる。つまり、月は地球の生命の限界を試験する場であると同時に、火星探査に向けた科学的基礎を築くための段階でもあるのだ。

日本の宇宙機器メーカーや部品サプライヤーにとって、この研究は宇宙機器の設計要件の厳格化を予兆している。微生物汚染を防ぐための設計基準や部品の洗浄・滅菌プロセスについて、より精密な基準が求められる可能性が高い。アルテミス計画に参加する国際協力の中で、こうした要件への適合が競争力を左右するようになるだろう。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:sorae

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