中国Galactic Energy、新型ロケット「Pallas-1(智神星1号)」の初飛行に成功
イメージ 中国の民間宇宙企業Galactic Energy(星河動力)が、新型ロケット「Pallas-1」の初飛行に成功したと発表した。日本時間2026年9月1日11時に、中国の酒泉衛星発射センターから打ち上げられたこのロケットは、同社にとって初めての液体燃料ロケットである。将来的な第1段再使用を前提とした設計を採用するなど、中国民間宇宙企業の技術進化を象徴する出来事となっている。
ロケットの仕様は2段式の中型液体燃料ロケットで、全長52メートル、機体直径3.35メートル、打ち上げ時の質量は約283トン。低軌道への投入能力は5~7トンであり、中型衛星の運用に適した性能を備えている。打ち上げは計画通りに飛行し、予定していた試験目的を達成したと報じられている。ペイロードの詳細は公表されていないが、新華社によれば、予定の軌道へ正常に投入されたという。今回の初飛行の成功により、Galactic Energyが液体燃料ロケットの設計・製造・打ち上げ運用にわたる総合的なプロセスを確実に遂行する能力を有していることが実証されたと考えられる。
ロケットの技術的特徴で特に重要なのが、第1段に搭載されたエンジンの仕様である。「CQ-50」という液体酸素・ケロシンエンジンが7基搭載されている。このエンジンの推力は32~105パーセントの範囲で調整できる可変推力式になっている。推力調整機能は、ロケットの再使用を前提とした設計では欠かせない要素だ。Galactic Energyは第1段の垂直着陸回収と再使用を想定しており、25回の再使用に耐える設計がされている。ただし初飛行では回収実験を実施しておらず、今後、垂直着陸による回収技術の実証を段階的に進める方針だという。このような段階的なアプローチにより、設計から運用に至る技術的なリスクを管理しながら再使用技術を確立していくと考えられる。
また、液体上段「Eros-2」を必要に応じて追加することで、ミッションに応じた柔軟な対応が可能になる。上段をモジュール化することで、単一の第1段プラットフォームから様々なミッションに対応でき、開発効率とコスト効率が向上する可能性がある。
Galactic Energyはこれまで、固体燃料ロケット「Ceres-1」シリーズを運用してきた。Pallas-1がこれまでのCeres-1シリーズと異なるのは、再使用性を組み込んだ液体燃料ロケットである点だ。ロケット再使用技術の確立は、打ち上げコストの大幅な削減をもたらす可能性を持っている。この技術の普及は、宇宙産業全体のサプライチェーンに波及し、衛星打ち上げ需要の増加につながるだろう。日本の部品・素材メーカーにとって、中国民間企業による再使用ロケット技術の進展は見過ごせない動きである。エンジン部品の高度化、耐熱材料、制御システム用の精密部品といった領域で、今後の市場需要構造の変化がどのように進展するか、そしてそうした変化に日本の関連産業がいかに対応していくべきかは、注視し続ける必要がある。
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出典:sorae




