天の川銀河の惑星系、2つの「ファミリー」に大別 科学者らが系譜解析で発見
天の川銀河の惑星系は、生い立ちと進化の傾向から二つの「家系」に分けられることが、イタリア国立天体物理研究所(INAF)の研究チームによる解析で示された。対象は、天の川銀河で発見されている1000を超える惑星系のうち、特によく理解されている300の多惑星系である。成果は10月13日付で科学誌Nature Astronomyに掲載された。
一つ目の家系は、広く質量の大きい惑星系である。系全体の質量は太陽系の2〜10倍程度とされ、太陽より質量が大きく、水素とヘリウム以外の重い元素の割合(天文学ではこれを金属と呼ぶ)が太陽より低い恒星を周回している。二つ目の家系は、より小型で軽く、大きさや質量のそろった惑星が密集する「さやの中のエンドウ豆」のような配置を取る。こちらは太陽と同程度以下の質量と金属量を持つ恒星の周りにあり、軌道は水星の軌道よりはるかに内側に収まる場合が多い。
研究チームは、惑星が恒星の周りを同じ円形の平面から外れて公転している度合いを、系の「遺伝子」の一つとして使った。そのずれは、巨大衝突や惑星の放出を伴う激しい重力的不安定の履歴を示すとされる。激しい出来事は一つ目の家系に多く、二つ目ではずっと少なかった。さらに、こうした出来事の回数は、惑星が形成される環境のわずかな違いと結びついており、その違いは親となる恒星の性質に由来すると考えられている。恒星の種類は、惑星の作られ方だけでなく、系が後にどのような道筋をたどるか、特に不安定な時期や巨大衝突を経験するかどうかにも影響すると解釈できる。研究チームが異なる初期条件から行った進化シミュレーションでは、一つ目の家系の力学的な性質を最もよく再現したのは、誕生直後から不安定な系だったという。惑星の材料が豊富なために惑星が大きくなりすぎ、系が安定を保てなくなるというのが説明である。
この成果は、系外惑星の探索にとって重要な意味を持つ可能性がある。生命が存在しうる惑星を持つ系を絞り込む際に、恒星の性質と惑星系の履歴が手がかりになることを示唆するためだ。ただし今回の研究は観測データの分析と数値シミュレーションに基づく基礎研究であり、事業や装置の需要に直ちに結びつくものではない。二つの家系が観測手法の制約による見かけの差ではないかという点も検討されたが、研究チームは構造的な違いが実在すると結論づけている。
製造業の視点では、こうした天文学の進展が直接の受注につながるとは考えにくい。ただし観測装置の需要を通じて間接的に関わる可能性はあると考えられる。系外惑星の観測には、高精度な光学系、分光器、検出器、冷却や姿勢制御に用いる機構部品などが求められる。観測対象の恒星が性質によって絞り込まれれば、観測の効率を高める装置や、長期間の安定運用に耐える部品への要求水準が上がる可能性がある。精密加工、光学部品、素材の分野を持つ国内サプライヤーにとっては、大型観測計画の仕様動向を注視する価値があると考えられる。
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