民間中国ロケットの爆発的初着陸試験、映像で再検証
中国の民間ロケット企業LandSpaceの「朱雀3号」が、第1段階ロケットの着陸に成功した。それは2回目のミッションでのことだったが、その直前に失敗した初回のミッションの詳細が、今年8月に公開された映像で明らかになった。
朱雀3号は2025年12月3日の初号機で軌道投入に成功するという大きな成果を上げた。しかし同じミッションでの第1段階の着陸は失敗に終わった。ロケットが地上への帰還途中で問題が生じ、最終的には指定された着陸地点の近くで激しく爆発してしまったのである。この失敗の瞬間は国営放送CTVVが映像に収め、8月20日に公開した。映像には着陸に失敗したロケット本体のカメラからの視点も含まれている。特に注目されるのは、朱雀3号の設計がSpaceXのファルコン9から大きな影響を受けていることである。ハイパーソニック領域での姿勢制御に用いられるグリッドフィン(網目状の制御翼)がファルコン9由来の技術であり、朱雀3号も同じものを採用している。映像では下降時にこのグリッドフィンを通して地面が急速に接近する様子が鮮明に捉えられている。さらに映像から、ロケットが地表に到達する前の下降段階で既に爆発が起きていたことが判明し、初回ミッションでの着陸失敗は単なる着陸精度の問題ではなく、より根本的な機体の不具合に由来していたことが明らかになった。
朱雀3号の後続ミッションは、この失敗から得られた教訓を反映していたと考えられる。8月18日に実施された2回目の打ち上げでは、全長66メートルのロケットが人工衛星を軌道に投入することに成功し、第1段階も無事に着陸したのである。この成功は中国の民間企業によるロケット着陸の初事例であり、中国全体でも2番目の着陸成功に当たる。最初の成功は7月10日に達成されており、その際は国営企業の長征10Bが船上に設置されたネット状の装置に着陸するという方式を採っていた。短期間での技術的改善と成功達成は、LandSpaceが着陸技術開発において相当な知見を蓄積していることを示唆している。
ロケットの再利用性は、宇宙産業全体の経済効率を根本的に左右する要素である。第1段階の回収・再利用が可能になれば、ロケット打ち上げの総コストを大幅に削減できるからだ。朱雀3号の成功は、中国の民間宇宙企業がこうした次世代技術の実装段階に入ったこと、そして国営企業との競争が本格化していることを示唆している。ハイパーソニック・グリッドフィンのような基盤技術は、複数の国や企業で標準化されていく可能性が高く、宇宙産業のグローバルなサプライチェーンはさらに再編されることになるだろう。
日本の部品・素材サプライヤーにとって、この動きは新たな市場機会をもたらす可能性がある。ロケットの再利用化が進むにつれ、着陸・回収システムに必要な耐熱材料や精密機械部品、各種センサーといった高度な部品の需要が世界的に拡大することが見込まれる。中国の民間企業が急速に技術を進化させる中にあって、日本の製造業は自らの技術的強みを明確に位置付け、グローバルサプライチェーンにおける役割を再考する必要があるだろう。
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