灼熱の「マシュマロ」系外惑星の大気中に「宝石」を発見
英国ブリストル大学と米国コーネル大学の研究者を含むチームが、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の観測データから、マシュマロのような質感をもつとされる高温の系外惑星WASP-17bの大気を立体的に描き出した。大気は円環状で、その上に「宝石(ジェム)」と呼ばれる突出した構造があることが示された。研究成果は10月14日付で科学誌Nature Astronomyに掲載された。
WASP-17bは地球から約1,300光年離れた惑星で、質量は木星の約0.8倍だが、直径は太陽系最大の惑星の約2倍あり、「スーパー・パフ(超膨張型)」と呼ばれる密度の低い天体だ。恒星をわずか4日弱で周回するため温度が極めて高く、潮汐固定により常に同じ面が恒星に向いている。昼側は恒星の放射を絶えず受け、夜側は冷えたまま宇宙空間に面している。研究チームは「トランスミッション・ストリング」と呼ばれる新手法を用い、惑星が恒星の手前を横切る際に大気の縁(リム)を通る光を異なる角度から捉えた。従来の手法は縁の光を平均化して扱うのが一般的だったが、この方法では中心からの距離の違いを個別に取り出せる。
解析の結果、昼側と夜側で化学組成と温度が理論やモデルの予測どおりに変わっていることが確認された。惑星の高温の風が赤道付近から夜側に達する場所では、冷えた側の大気が膨張しており、これが「宝石」として現れた。研究者は、朝側と夕側で大きな温度差が生じるという理論の予測とよく一致したと述べている。ここで示されたのは、大気を一様な円ではなく立体として扱う見方が有効だという点である。研究者は、計算上の演習にとどまらず実際の観測で確認できたことに意味があると強調している。NASAの系外惑星カタログには6,000を超える天体が登録されており、同じ手法が他の惑星の大気解析に広がれば、理論モデルの検証精度が上がる可能性がある。
記事は宇宙機器の調達や部品に直接触れていないため、以下は推測である。系外惑星の大気観測は、大型望遠鏡の高精度な光学系、赤外線を捉える検出器、観測装置を極低温に保つ冷却系など、高い品質が求められる要素技術に支えられている。こうした分野は精密加工、表面処理、極低温で性能を保つ素材の技術と重なる部分が多いと考えられる。日本の部品・素材メーカーにとっては、科学観測向けの仕事が個別のミッションに依存し、継続的な受注に結びつくとは限らない点に注意が要る。記事の内容だけで国内企業の具体的な関わりを断定することはできないが、宇宙用の品質管理や信頼性要求に対応できる体制を整えておけば、今後の観測計画で関わる機会が生まれる可能性はあるだろう。
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