天文学者、史上初の緑色の星を発見 ハロウィーンに間に合った宇宙のゾンビ
英ウォーリック大学の研究チームは、白色矮星(太陽程度の質量の星が燃え尽きた後に残る高密度の天体)が白や淡い青だけでなく、緑、ピンク、シアン、黄、紫などの色を示しうるという研究成果を発表した。論文は10月14日付で学術誌 RAS Techniques and Instruments に掲載された。そのうえで、地球から約326光年離れた白色矮星 WD J1330+6435 が、これまで確認された中で初めて本当に緑に見える星だとしている。
従来、星の色は表面温度で決まるというのが天文学の基本的な理解だった。多くの星は熱を理想的に放射する「完全放射体」に近い振る舞いをするため、低温の星は橙色、太陽のような星は白、高温の星は青白く見える。白色矮星にも同じ法則が当てはまると考えられてきたが、研究チームは極端な高密度が例外を生むと指摘する。白色矮星の物質は水と同程度の密度に達し、太陽の光球表面の数百万倍にもなるという。このような大気では、炭素、カルシウム、ナトリウムなどが周囲の高密度なヘリウムのプラズマと相互作用し、通常より広い波長の光を吸収する。その結果、色が白や青白から大きくずれる。緑の例であるWD J1330+6435は、惑星の岩石物質を取り込んでカルシウムやリチウム、ナトリウムが増えた冷えた白色矮星で、ナトリウムが橙色の光を吸収することで緑に見えると、研究チームのモデルは示している。
この成果は、宇宙産業にとって調達や打ち上げの変化を直ちにもたらすものではない。天体の色の理解を見直す基礎科学の進展であり、市場への影響を読み取る材料は限られる。もっとも、色の違いは大気中の元素の組成を反映するため、天体の化学的な履歴を読み解く手がかりになる可能性がある。研究チームは、地球から約65光年以内にある白色矮星151個のうち、特異な色を持つものは5個だけだと示した。そこから全体では約30個に1個が変わった色をしていると推定している。一方で研究者らは、平均的な白色矮星は依然として白いとも述べている。
日本の製造業・部品サプライヤーにとって、今回の発表が直接の受注につながる可能性は高くない。ただ、遠方の天体の色や組成を精密に測るには、分光器や光学フィルター、高感度の検出器、高精度の鏡やレンズといった光学・計測部品が必要になるのが一般的だと考えられる。天文観測向けの光学部品や計測機器を手がける企業にとっては、こうした基礎研究の進展が観測装置の高精度化に対する需要を見通す材料になる可能性がある。現時点では即座の対応ではなく、観測分野の技術動向を注視する程度が現実的だと考えられる。
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