中国スタートアップ・星瀾九州技術、資金調達ラウンド完了
中国のスタートアップ企業StarRFが8月21日にPre-A+ラウンドの資金調達を完了した。山東省の国有系ベンチャーキャピタルがリードし、資金は低軌道衛星コンステレーション「Diting」の開発に充てられる予定だ。このコンステレーションは、地上および海上の無線周波数信号を検出して発信源を特定することを目的としている。
StarRFは2023年11月に設立された天津ベースのスタートアップで、無線周波数インテリジェンス分野に特化している。衛星から電磁波スペクトラムを監視し、無線信号の受信・復調・分析・発信源測位に関するプロプライエタリー技術を開発している。今回の投資は研究開発、市場拡大、人員増強に充てられるという。このビジネスモデルは、既に衛星コンステレーションで無線信号の検出と三角測量を行う米国のHawkEye 360やEU系企業と同じニッチを狙ったもので、海事領域認識やGPS妨害検知、スペクトラム管理、公共の安全や鉄道分野など、多様な用途に対応している。
技術的には、StarRFは3衛星による編隊飛行方式を採用する計画だと報じられている。複数の衛星を密接に配置して発信源を正確に測位するこの方式は、中国人民解放軍が運用しているとされる遙感衛星三つ子と類似しており、海上船舶からの無線信号を検出するために活用されている。業界ではStarRFは「中国版HawkEye 360」と呼ばれており、比較対象となるHawkEye 360は5月の上場後、第2四半期に国際売上が前年比134%増を記録するなど、急速に成長している。こうした市場の拡大機会がStarRFへの投資を促進していると考えられる。
注目すべき点は、StarRFへの投資が山東省・天津市といった地方政府系資本によって主導されている点だ。中国の大型宇宙企業であるCASCやCASICといった国有防衛宇宙企業からの直接的な投資が見当たらず、地域レベルの産業政策が商用宇宙分野の支援に向かっている傾向が示唆される。中央政府が商用宇宙の戦略的重要性を示唆する中で、無線周波数センシングは既存の遠隔探査・通信・宇宙コンピューティング分野と並んで、投資対象として認識されている可能性が高い。コンステレーションの規模や初号機打ち上げ時期は未発表だが、複数の衛星を軌道投入するには相応の開発期間が必要になると考えられる。
日本の部品・装置・素材サプライヤーにとって、このトレンドは衛星コンステレーション拡大に伴う部品需要の増加を意味する可能性がある。衛星の小型化・軽量化に対応する部品や、無線周波数受信機の高性能化に寄与する材料への需要が増え、中国市場での競争が一層激化すると考えられる。
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