QPS研究所、コンステレーションの構築加速に向け、仏MaiaSpaceと打上げサービス基本合意を締結
イメージ 小型SAR衛星を開発するQPS研究所が、フランスの小型ロケット企業MaiaSpaceと打上げサービスの基本合意を締結した。衛星コンステレーション構築の加速が目的で、2029年以降の打上げを予定している。
QPS研究所は、同社が開発する「QPS-SAR」という小型の合成開口レーダー衛星を大規模に配置するコンステレーション構想を進めている。もともとは一定規模の衛星群を想定していたが、今回の基本合意により「36機を超える」大規模な構想へと拡張することになった。こうした拡張を実現するには、衛星打上げの柔軟性と経済性が重要となる。MaiaSpaceは2022年に設立されたスタートアップで、親会社のAriane Groupの技術を活かしながら、欧州初となる再利用可能な小型ロケット「Maia」を開発している。MaiaSpaceが提供できるのは、再利用型と使い切り型の両形態のロケット、そしてキックステージ「コリブリ」による複数軌道への対応である。単独衛星から複数軌道への大量配置まで、幅広いミッションに対応できる柔軟性が、QPS研究所の大規模化したコンステレーション計画にマッチしたと言える。
衛星コンステレーション計画の拡張は、宇宙産業全体のサプライチェーンに大きな影響をもたらす。衛星を36機以上建造するということは、単なる数の増加ではなく、生産体制の構築、調達ネットワークの整備、打上げスケジュールの長期化を意味する。欧州の再利用ロケット企業との継続的な契約は、日本のロケット打上げ市場に対しても、国内企業の価格競争力や打上げ頻度の向上を促す可能性がある。複数の軌道に衛星を配置するため、打上げ形態の多様化(専用打上げ、相乗り打上げ)に対応できる運用能力が求められるようになる。こうしたトレンドは、打上げ市場全体の成熟度を高める契機となり得る。
日本の部品メーカーや装置サプライヤーにとって、このトレンドは二つの視点から関連している。一つは、衛星の大量生産化に伴う部品調達の機会である。小型衛星とはいえ、36機以上を建造すれば、電源系統、推進系、通信装置、構造部材など多くの部品が必要となる。QPS研究所が国内サプライヤーをどの程度活用するかは、今後の製造体制の設計にかかっている。もう一つは、ロケット打上げの多様化への対応である。複数の軌道に対応するミッションが増えれば、インターフェースの標準化や品質保証の仕組みが国際水準で必要になる。欧州との技術パートナーシップが実現する中で、日本国内のサプライチェーン全体が国際的な競争力を磨く局面に入ったと考えられる。
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出典:Space Media



