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BULLの宇宙デブリ化防止装置の実証機、大気圏再突入を確認 打上げから約2カ月半で軌道離脱

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宇宙デブリ化防止装置メーカーの株式会社BULLが開発した軌道離脱装置「HORN」の実証機が、打ち上げから約2カ月半で設計通りに大気圏へ再突入したことが確認された。扇状の膜面を展開して大気抵抗を増大させるという独特の方式により、軌道上の不要な物体を速やかに廃棄軌道から追い出すシステムが、実際に機能することが実証されたのだ。

スペースデブリ問題の深刻化が背景にある。人工衛星の打ち上げ数が増加し、衛星運用企業の数も増えるなか、役割を終えた衛星やロケット上段が軌道上に放置される傾向が加速している。これらの物体は数十年にわたって軌道に残存し、運用中の衛星や宇宙ステーション、有人宇宙船などとの衝突リスクを生じさせる。衝突が起きれば、衝撃でデブリがさらに細かく分散し、より危険な状態へと悪化する。こうした負のスパイラルを防ぐため、国際社会ではスペースデブリ低減ガイドラインが策定され、新規打ち上げ物体には軌道離脱機能の装備が推奨・要求されるようになってきた。BULLのHORNは、こうした国際的な要請に応える技術として開発された。

今回の実証では、膜面積の異なる2つの実証機を用いた比較検証が進められている。大型機「HORN-L」は膜面積約20平方メートルの規模で、6月のH3ロケット6号機での打ち上げから約76日という短期間で大気圏再突入に至った。再突入の4日前にあたる8月23日には軌道上からの光学撮影に成功し、膜面が設計通りの展開状態を保持していることが確認されている。これは、極限の熱環境下においても膜面構造が破損・収縮しないことを実証するもので、材料および構造設計の信頼性を強く示す結果である。一方、膜面積約10平方メートルの「HORN-R」は依然として軌道上にあり、9月4日時点で高度約513キロメートルを継続して降下中であった。膜面積の違いが軌道降下速度にどのような影響を与えるかというデータ取得を通じて、装置のサイジング設計がより精密化され、実際の衛星運用機関のニーズに合わせた柔軟な仕様提案が可能になると考えられる。今後、BULLは両機から得られた軌道上データを活用して、姿勢や軌道の動きをシミュレーションするモデルの精度向上に取り組み、実用化に向けた商業化を加速させる計画である。

宇宙産業のサプライチェーンにとって、今回の実証成功は重要な転機を意味する。スペースデブリ対策装置の商用化が現実味を帯びることで、膜面材料の開発・製造企業、微細な機械要素や展開機構を担う部品メーカー、軽量構造体の設計・製造業者など、これまで本格的な需要がなかった領域における新しいビジネス機会が生じる可能性が高い。特に、極限の宇宙環境に耐える高性能材料や、展開機構の確実な動作を左右するアクチュエータ・ヒンジ機構といった小型精密部品に対しては、従来の航空宇宙産業標準とは異なる要求仕様が生じる傾向がある。日本の精密加工技術や新素材開発企業にとって、こうした新規市場での競争力確保は、今後の事業拡大の重要な選択肢となり得る。国際的な宇宙ルール適応の流れが加速すれば、部品・装置・素材メーカーにとって戦略的な事業展開を検討すべき時期が到来していると言える。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:Space Media

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