アストロスケール、スペースデブリ除去ミッションの打上げでIsar Aerospaceと契約
イメージ 日本のアストロスケールがドイツのロケット企業イザール・エアロスペースと契約し、2027年度に本格的なスペースデブリ除去ミッション「ADRAS-J2」を実施することが決定した。対象は2009年に打ち上げられた日本のH2ロケット上段で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が推進する商業デブリ除去実証プログラムの一環である。
スペースデブリ問題は、衛星や打上げ実績を持つすべての国・企業が直面する課題だ。地球低軌道には使用済みロケット上段や廃棄衛星が蓄積し、極超音速で漂流している。これらが稼働中の衛星や国際宇宙ステーションと衝突すれば、さらなるデブリを生み出し、連鎖的な破壊に至る可能性がある。今回のADRAS-J2は、3トン程度の比較的大きなロケット上段を実際に捕獲・軌道変更し、除去できるかを検証する重要な実証プロジェクトである。
このミッションの実現には、アストロスケールが開発するデブリ捕獲技術だけでなく、その運搬を担うロケットの能力も重要な要素となる。アストロスケールは、イザール・エアロスペースが開発する「スペクトラム」ロケットが、地球低軌道への最大1トンのペイロード投入能力を持ち、ミッション固有の軌道要件に対応できることを採用理由として挙げている。打上げはノルウェーのアンドーヤ宇宙センターから行われる予定である。ヨーロッパの新興ロケット企業を選択することで、両企業が高い技術水準を持つことが推測される。
スペースデブリ除去の実現は、宇宙産業全体の持続可能性を左右する重要な課題だ。成功すれば、デブリ除去の商業サービスが確立され、国際的なルール形成にも寄与する可能性がある。アストロスケールのCEO岡田光信氏も「デブリ除去技術の確立だけでなく、デブリ除去に関する国際的なルール形成や議論の進展に大きく貢献する」とのコメントを出しており、このミッションへの期待の大きさがうかがえる。
日本の部品・装置メーカーにとって、このミッションの進展は複数の意味を持つ。第一に、国内の宇宙企業の国際競争力強化に連動する受注機会が生まれる可能性がある。第二に、デブリ除去という新分野が確立されれば、キャプチャメカニズムや制御電子機器などの専用部品や材料に対する需要が生まれることが考えられる。現在、ADRAS-J2衛星は打上げに向けた組立製造が進められているという進捗状況から、この流れはすでに始まっていると見られる。
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出典:Space Media


