UchUchU
Space Media #月

米Blue Origin、高頻度打上げに向けたインフラ整備状況を公表 年50回の打上げ目指し環境評価書を提出

イメージ

ブルーオリジンは2026年10月16日、フロリダ州で進める打ち上げ高頻度化に向けたインフラ整備の状況を公表した。州内の施設・インフラには30億ドル以上を投資しており、2020年代末までに週複数回の打ち上げに対応する体制を目指すという。機体の製造、射点、回収・再整備を同時に拡充する必要があることが、こうした大規模な投資の背景にあると考えられる。

NASAケネディ宇宙センター近隣の製造拠点「ロケットパーク」では3億3,000万ドルを投じた拡張工事が進んでおり、2027年夏の完成が予定されている。この施設は大型ロケット「ニューグレン」の「9×4型」の上段製造に対応し、完成後は上段を年間最大150基生産できるようになるという。このほか、米宇宙軍と連携した顧客向けペイロード統合施設や新たな垂直統合施設も建設中である。射点では、今年初めの爆発事故から復旧作業が行われているLC-36Aに加え、9×4型の拠点となるLC-36Bの建設が進んでいる。さらに、LC-36の年間打ち上げ許可数を12回から50回に引き上げるため、環境評価書を提出したとしている。

この動きが示すのは、打ち上げ能力を「ロケットを1基ずつ作って飛ばす」段階から、製造・射場・回収・再整備を一体で回す段階へ移そうとする方向性だと考えられる。再使用型ブースターを回収する海上着陸プラットフォームの追加整備も進んでいるとされ、同社は製造から打ち上げ、回収・再整備までを一体で構築することで、より高頻度で信頼性が高く、手頃な宇宙アクセスの実現を目指すとしている。打ち上げ回数を増やすには、機体に加えて上段や構造部材を量産する工場、地上設備、許認可が同時に揃う必要があるため、宇宙産業の供給網が量産フェーズに入りつつあることを示す例とみられる。

製造業の視点では、上段を年間最大150基生産するという規模は、精密機械加工、溶接、複合材、配管・バルブ類、電装品などの需要が継続的に発生する可能性を示唆している。ただし、施設の完成は2027年夏で、射点の一部は復旧作業中であり、計画どおりに進むかは今後の進捗次第である。環境評価書の審査や射点の運用開始など、打ち上げ頻度が実際に上がるまでには複数の段階が残っている点にも注意が必要だ。

日本の部品サプライヤーにとっては、量産型の調達が増える局面で、品質管理、短納期への対応、複数拠点にまたがる安定供給の体制をどう示せるかが参入の鍵になると考えられる。今すぐ個別の受注につながるわけではないが、ロケット製造の現場がどのような部材と工程を必要としているかを把握しておくことは、将来の提案に備える上で意味があるだろう。

※ 内容の紹介はここまでです。続きは元記事をご覧ください。

出典:Space Media

この分野の企業を探していますか?

UchUchUは宇宙産業に関わる日本企業をデータベース化しています。参入検討・取引先探索にお使いください。